ポール・シニャックは、19世紀から20世紀にかけての後期印象派で点描派の画家。
点描はといえば、真っ先にジョルジュ・スーラを思い描くが、シニャックも優れた作品を多く残した。
けれども、今まであまりよいと思えるシニャックの点描画に出会う機会に恵まれていなかったおかげで、自分のシニャックの印象は、決して良いものではなかった。
むしろ、水彩画においてシニャックを評価していた。
シニャックの水彩は、筆が歌い踊りながら絵を作るのびのびとしたもので、理論と制約によって息の詰まるような点描画よりも、ずっと好印象に思えた。
ところが、それは悪い偶然のめぐり合わせで、シニャックのよい作品を知らなかったからだと知ったのだ。
それは、なぜだか知らないが日本において、いや世界においてもシニャックが冷遇されているからなのだろう。
ほら、なかなかいいでしょう?
特にここにあげたのは、夏ということもあって海をモチーフに描いた爽やかなもの。
スーラよりも好きになる人もいると思われたりするくらいに。