『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

波風がなく穏やかに暮らせたら……

2014-01-15 15:34:54 | Weblog

 

                  

       あなた

 今日も、柔らかい冬の陽ざしが庭の雪を照らし、反射した光が眩しい。

 僅かにのこった、紅い木の実…この木も今はスッポリ雪に埋まっている。

 

 吹雪は嫌いだけど…今日のように冬の陽ざしがすべて包んでニッコリしている姿、冬だからこそみれるのであって

 そう思うと冬ってやっぱり好き…。

 そして、わたしは何もしないで炬燵にもぐって庭を眺めて居られるのだから…

 

 久しぶりに友達から舞い込んだ手紙…

 生き生きして、わたしまで元気をもらう…一年365日では足りないという…

 素敵な彼女。「からだを愛しんで大事にね… 」

 

        二葉亭四迷   「平凡」のあらすじ    ”青空文庫”より

 

今年39歳になる「私」は下級官吏であるが、かつては文士であった。そんな「私」が過去を思い出しながらまずは幼少期か

ら書き出す。そんな頃に文壇に在籍する旧友が尋ねてきて、下らない話(文学論や文壇のゴシップや執筆を促す忠告など)

をして行く。しかし、「私」はそんな事よりも、親の口から体を大切にしろという言葉の方を聞きたいとバッサリと切り捨

てて、親のことや小学校時代に飼っていた愛犬ポチのことを思い出して書き出す。そしてここから、度々教科書にも引用さ

れたというポチの話がはじまる。ポチが殺される所まで書き終えた後、一見高尚そうな言葉をずらりと並べる。しかしそん

なのは皆嘘で、人間が皆犬殺しに見えたことだけが本当だと切り捨てる。中学を卒業し、法律の勉強のために東京に出てく

ると、文学にかぶれだし、額に汗して働く人々を馬鹿にしだす。ヒット作が一つ生まれて順調になるが女性に夢中になって

いる間に、父が病気になって、急いで帰った時には手遅れになってしまう。父の死という強烈な実感のおかげで目が覚めた

「私」は母を連れて上京し、文壇を去って今の役所に勤めだすのだった。

 

 わたしはこの作家も好き、まだもう少し若い頃苦労して全集を読みました。

 難しい漢字が多く… それでも漢字を覚えました。

 結局は「平凡」に暮らせるのが一番倖せ…