続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

DUCHAMP『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』②

2020-01-21 06:52:48 | 美術ノート

 がらくた、役に立たず、葬り去って何とも思わない物、むしろ無いほうがスッキリする物の集合である。

 これらを差し出したデュシャンの胸の底に在ったもの・・・深い悲しみと自己主張、怒りも少しあったかもしれない。

 イカの甲(死骸)と一緒にされた小さな鳥かごに押し込められた数多の角砂糖型大理石は、似た者同士を擬人化したのではないか。しかし体温計が差し込んである、つまり生きていることを示唆しているのである。

 LGBTトランスジェンダー…性に違和感を持ち、生まれたときとは異なる性別で生きる人、生きて行こうとする人を、シスジェンダーは理解できないが圧倒的多数のため、普通だと思い込んでいる。
 世間から外された少数派の悲しみ、理解の外に置かれている人であることの主張・・・寡黙であるがゆえにあまりにも切実なこの提示(作品)を理解するのにずいぶん時間がかかったしまった。

《平等であるべき生の主張》である。


 写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com


『忘れえぬ人々』71.

2020-01-21 06:38:33 | 国木田独歩

世間一般の者にそういう人があるとは言わないが少なくとも僕には有る。恐らく君にもあるだろう」
 秋山は黙然て首肯いた。


☆逝(死にゆく人)が現れる。
 逸(隠れた)半(二つに分けた一方)の視野に図りごとが現れる章(文章)がある。
 目(ねらい)の幽(死者の世界)の教(神仏のおしえ)を訓(教え導く)。
 終(死)に算(見当をつけていること)は、黙っているが、全て趣(志すところ)の講(話)である。


『城』3340。

2020-01-21 06:28:41 | カフカ覚書

その場合でも、本来ならば自分がいてはならない場所にいるんだということ、公務上の用件がそれを要求し、また許容するので、お役人はせいぜい不承不承そこへ自分を呼んだのだということをつねに忘れてはならないのです。


☆およそ、先祖の大群はただ、本来いるべきでない所におり、先祖の確かな筋からの(解決すべき)事柄の弁解を叫ぶのを、反感を込めて耳を澄ませて聞いていた。