キャサリン・ドライヤーが妹のために何か作品を制作してくれとデュシャンに依頼したのは、その妹がデュシャンに好意を抱いていたので何らかの反応を確認したかったのだと思われる。つまり、その返事がこれであったというわけである。
無味乾燥と思われるこの作品の深い哀しみ、拒絶と孤独、言葉にしえない、言葉にすることがタブーであるような世界の開示である。
数多の角砂糖型の大理石は、むしろ囚われた少数派であり、小さな(小さすぎるカゴ)の中の飛べない鳥の空間に肩を寄せ合っている風情だと解釈できる。
自分はこのようなものなのですよ、という告白。
しかし、自由に生き、ものを言う権利を持っている。しかし、言明してしまえば、疎外感に苛まれることは必至かも知れず、不自由なカゴに安住するしかない。
『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』
「わたし(デュシャン)のなかのローズ・セラヴィよ、何故姿を現さないのか」デュシャンの苦悩のつぶやきが聞こえる。
写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com
僕が十九の歳の春の半頃と記憶しているが、すこし体躯の具合が悪いので暫時らく保養する気で東京の学校を退いて国へ帰える、その帰途のことであった。
☆目(ねらい)は套(被われているが)句(言葉)を再び駿(すばやく)判(可否を定める)。
継(つなぐ)基(もと)は臆(胸の内)にある。
章(文章)の他意は句(言葉)で求める。
合わせて和(調合し)竄(文字・文章を変える)。
補う要の記を問い教(教え導き)合わせる講(話)である。
他意で告げているのは、鬼(死者の魂)の奇(不思議な)吐である。
ですから、早く出頭して、尋問に応じ、終わったら、早く退散できればさらにしなくてはなりません。いったい、あなたは、あそこの廊下にいて、これはけしからん不法行為だという感情をおもちにならなかったのですか。
☆ですから、早く表れて審問に応じ、それから多分、その上早く消え去ることです。
来世でのやり方では全く重苦しい不法な感覚というものはないのでしょうか。