〈停止〉である、そこから先はない。
〈原基〉である、かつてそれは厳然と存在していたものである。
〈綱目〉である、分岐があり、発展(時間・経過・分類)があった。
しかし、初めに《停止ありき》である。すべては否定、打ち消されている。ここから先は《未定》の領域である。
このタイトルの条件を踏まえて作品を見ると、闘い済んで日が暮れてのような一抹の、というか大きな寂しさが襲う。すべては終わってしまったのだと。
《大いなる否定》である。
この画(作品)の前にあるのは、対面する自分自身だけであり、未知への静かなる脅迫がある。大きく手を広げたデュシャンが立ちはだかり、終了を告げている。
ここより先は、あなた自身であり、わたくし(デュシャン)もこの画の外にいる。
『さぁ!』
写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com