裸婦に落ちた影を見ると、真上からではなくごく低い位置からの光源であることが分かる。つまり、早朝か夕方の陽の低い時間帯である。(南中を真上に見て右からの光であれば夕陽)
『夜会服』という言葉からくる《夕》、三日月の南中《昼》、光《朝or夕》を考え合わせると、すべての時間が含まれており、逆に時間の否定と思われる。
画は、水平線と裸婦が十字に交わった構図である。そして頭上に月(太陽による明かり)を抱いている。これは、非常に神秘的であり崇高なものへの祈りと感謝を感じる。
『夜会服』(The Evening Gown)というタイトルには《夕べの祈り》という響きを感じてならない。
《大いなるものへの崇拝》、マグリットの信奉である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)
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