『アルンハイムの地所』
翼を広げた鳥の形態をした山、二十六日の月・星空、人家のブロックに置かれた三個の卵・・・。この三体は画面中央に垂直に配されている。
卵は(誕生)を、二十六日の月は(消えかかる月/死)を、鳥の形態の山は(生命)を暗示しているかもしれない。二十六日の月が星空に南中することはないし、あたかも山(物質)が卵(生物)生むような連想をさせる錯誤の時空間、つまり、決して有り得ない状況を設定したのである。
繰り返される生と死の循環、壮大な時間の断片の啓示。神がいるとしたら・・・仮定の場所である。
写真は『マグリット』展・図録より
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