『禁じられた世界』
地球上の規律、観念、物理的真理に反する情景(時空)である。
どうやら水の底(海底)に下半身を魚の尾にした裸身の女性がソファに横たわっている。眠っているのか夢想しているのか肘をつき他方の手にはバラの花(愛)を持っている。
移動の自由は奪われ、囚われの身と言ってもいいかもしれない。けれど、暑くも寒くもない平穏、空気の代りに水の層に生きているが、全く異なる世界へは行き来が不可能である。
この断絶、隠す術もなく裸身をさらしたまま彼女は生き続けているのかもしれない。守られているのだろうか・・・、決して現世(空気の層)には戻れない、戻ることを厳重に禁止されている世界を生きている。
写真は『マグリット』展・図録より
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