続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』

2017-12-01 06:49:53 | 美術ノート

 『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』

 彼女の独身者たちの意味が不明である。独身者たちによって裸にされた花嫁というのも、普通ではなく性的な事件性を匂わせているが、《さえも》という言葉でさらにもっと違う(何か)を仄めかしている。
 つまり、見えない不明な何かを言おうとしている。《~でさえも》・・・《何だというのだろう》

 この表題をもって作品を見ると、さらに混迷は深まる。意味不明、無意味、破綻、見えているが決して成立不可なもの、生産性を伴わない機械めいたもの、偶然の一刹那・・・。
 意図して提示した現存の無謀な無意味・・・空虚・空漠・虚無。

 意味を探そうとして、意味を探しえない。意味の周りを徘徊せざるをえず、徒労を強いられる。

 ガラス(透明)である必然性、あちらもこちらも《在る、が、無いのである》


(写真は『DUCHAMP』TASCHENより)


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