続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

D『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』3。

2021-07-02 06:22:23 | 美術ノート

 鳥かごの中の角砂糖型の大理石、画一化された面々が狭いかごの中でひしめき合っている。全く類似(同じ)であるのに上から圧するもの、下で耐えるもの、これらは単に偶然にすぎない 
 鳥かごの上方は空いているらしい。イカの甲などは半分身を外に乗り出している、温度計も然り。
 世界は開かれているが、鳥かごからの脱出は難しい。なぜなら、そこには《律》があるからで、教え込まれた律=約束の破棄は存在を脅かすほどの恐怖だからである。

 同じ色、同じ形、あらゆる視角から見ても単一な存在である。平等といってもいいかもしれない。しかし、微妙に歪みを孕み、静謐という訳ではない。少し揺らしただけで全体は様相を変化させる。

 イカの甲や温度計は画一の大理石を押し、半分は鳥かごの外へ出ている。鳥かごが拘束/飼い殺し/保護なら、鳥かごの外は自由/空腹/危険がつきまとう。
 選択の自由は与えられている。

《異端》であることの認識、認識の内外、何故、そのことに気づかないのか。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


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