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『深淵の花』
非常に深いところ、非常に危険な事態に直面しうるところの花であるという。
馬の鈴が象徴するものは、言葉(主張・噂・伝説 etc)である。
言葉は魔法であり、イメージを喚起させる手段でもある。人の心の深層に潜む信念は曖昧模糊としているが、その深みの中で具象化しうる手段は言葉をおいてほかにない。
言葉は言葉に触発され確信を強めていく。人はその深淵を抱き持っているが、見ることは叶わないから、その確信が真理か否かを図る手段を持てない。
『深淵の花』が沈黙を守っている限りは何事も起こらない。しかし、その花(言葉)には、危険な要素が常に含まれている。
戦争は深淵の花(言葉)によって勃発し、平和もまた深淵の花(言葉)によってもたらされる。
深淵の花は、人類の思いに匹敵する。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
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