続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『占い』

2022-01-17 06:39:07 | 美術ノート

   『占い』

 占い、人の運勢や事の吉凶などを予言したり予想したりすることである。要するのに、過去・現在ではなく未来への言及であり、時空を超越する奇想である。

 作品は巨大な鼻が鎮座しているが、出入り口はさらに高く必ずしも鼻が巨大とは限定しにくい。人間を具現化した大きさかもしれない。人が鼻という一部分に変貌する、中心はぶれていないが、見覚えのある記憶の底にある生物という感じである。

 海(水平線)と暗雲立ち込める空、船の航行。
 一本の樹木は一葉の形であり葉脈は地中にあるはずの樹根に見える。

 現在に於いて納得のいく景色とあり得ない景色の混在である。
 見慣れた景色(現在)と奇想の景色(現在・過去にはなく、しいて未来と断定する時空)の並列。

 時間の経過(未来)により、何かが変わる。それは現在・過去を引きずり記憶の断片を残すものを経由していくかもしれない。しかし最も恐怖をそそるのは、人間が人間でなくなることへの懼れである。この未来予想図は人間を物質化しあらゆる機能をそぎ落としあたかもロボット化しているのではないか

 写真は『マグリット』展・図録より


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