純白な仮面の石膏像は板の上にあるが、板そのものの着地が定かでない。中空に浮いているようでもある。
顔は少なくとも笑ってはおらず、苦悩を秘め、唇はしっかり閉じられているというのではなく何か余韻を残している。しかし、すでにこれ以上発言はなく、永遠に不問に伏している。
漆黒のビルボケ、背後の闇・・・ただ顔と板(時間/時空)だけに光が当たっている。この違和感、この不穏。
疑問は解決の術をもたず、ただあるがまま、感じたままの感想をここに表記した作品だと思う。天才に対し抗う術は皆無である。
写真は『マグリット』展・図録より
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