続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

鈴木しづ子(私的解釈)あきのあめ。

2021-09-17 07:38:34 | 鈴木しづ子

   あきのあめ衿の黒子をいはれけり

 秋の雨。物寂しく、終わりを告げる気配である。
 不意に男が耳元でささやく「こんなところにホクロが・・」と。
 男の顔は、男の唇は女に被さる位置にあり、胸と胸がかさなり、予感が走る。
 時が止まる瞬間の高鳴り・・・けれど、この恋はすでに秋の雨と化している。

 未練、離れがたい情念のほとぼり。男は黒子を想い、女は消えない黒子にため息をつく。過ぎた時間に容赦はない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿