続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『恋人たちの散歩道』

2021-11-29 06:57:48 | 美術ノート

   『恋人たちの散歩道』

 恋人たち、明日(未来)を作る若者たちである。
 この絵に道は描かれていない、地上(道)が見えない。真正面に向かう散歩道なのか、この景色に沿って歩いていく散歩道なのか、道は不明である。

 宙に浮き足が地に着かない感覚の不安、漆黒の空に浮かぶ二つのフレームには白雲の浮かぶ青空が各描かれている。表題は明日への跳躍、希望。
 しかし空の暗さは尋常でない闇(暗黒)。集合住宅の画一的な閉じられた窓、隣接の家々もひどく沈んだ印象である。(真っ暗なのに灯りがない)
 景色を俯瞰しているのでもなく正面から見ている。

 恋人たちは地上ではなく浮いている。地上における視界ではなく…否、遠い場所から見ているのかもしれない。

《距離がある》
 図りきれない現実社会との間隔、恋人たち(新生社会人)の不安と描く希望だと思う。

 写真は『マグリット』展・図録より


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