『恋人たちの散歩道』
恋人たち、明日(未来)を作る若者たちである。
この絵に道は描かれていない、地上(道)が見えない。真正面に向かう散歩道なのか、この景色に沿って歩いていく散歩道なのか、道は不明である。
宙に浮き足が地に着かない感覚の不安、漆黒の空に浮かぶ二つのフレームには白雲の浮かぶ青空が各描かれている。表題は明日への跳躍、希望。
しかし空の暗さは尋常でない闇(暗黒)。集合住宅の画一的な閉じられた窓、隣接の家々もひどく沈んだ印象である。(真っ暗なのに灯りがない)
景色を俯瞰しているのでもなく正面から見ている。
恋人たちは地上ではなく浮いている。地上における視界ではなく…否、遠い場所から見ているのかもしれない。
《距離がある》
図りきれない現実社会との間隔、恋人たち(新生社会人)の不安と描く希望だと思う。
写真は『マグリット』展・図録より
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