『空気の平原』
空気とは、地球の表面を包んでいる大気の下層部分の気体。無色・透明・無味・無臭のものである。
空気を平らにすることは不可能であり、したがって空気の平原などと言うものはあり得ない。
巨大な一葉、ここまで肥大化することはあり得ないし、一葉に養分を吸収する根幹があるという形態は見たことがない。しかも荒地(岩石)である。
あり得ない(空想)を、在る(現実)という、不条理である。
見たことのない現象は、すべて非現実の領域に括られる。
繰り返される生成は命の循環としてこの地球上に生息している。その集積したデータを基に景色を眺め納得しているわけである。だから、そうして蓄積された概念を外すものには抵抗がある。
抵抗の根拠は、受け入れ難い現実という違和感である。
空気の平原という《異相》をのめば、この規律を外した一葉を甘受できるのだろうか。
絶対に有り得ないという存在における概念を覆す景色にこそ、概念への回帰(「概念とは何か」)を思い知らされるシステムが隠れている。
(写真は『マグリット』東京美術より)
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