喜劇・・・観客を愉快にさせる劇(仕事)である。
自分の中のエネルギーを燃やし、自分を無にして臨む。自分の本当の姿は見せない。
紙切れのように所在なく立つ穴の開いた人型(シルエット)、しかし足元の片方は地(床)にめり込んでいる。つまり坂の上に立つ人型は転倒を余儀なくされるはずだが、顔は反対側を向き体は垂直に立っている。
これは相当なエネルギー消費である。死力を尽くして、平然としていると言ってもいいかもしれない。
四方(上下左右)に連鎖(解放)された精神の広がり。見かけはごく軽い風情であるが、『喜劇の精神』は過酷を踏まえた超人の技(仕事)である。
写真は『マグリット』展・図録より
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