続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞デュシャン『急速な裸体に囲まれた王と王女』②

2019-05-18 06:41:21 | 美術ノート

 この絵の中で、どれが急速な裸体なのか、王と王女はどこに?
 それらしいからと、勝手に創造し決めつけることは可能であるし自由である。
 しかし決定的な決め手、言葉と画像に関連性(共通項)は見いだせないのは、そのように意図しているからだと思う。

 ここに描かれている形に同一なものは一つもなく、どこか異なっているのは、何か具体的な対象を想起させないためで、それぞれが全て違っているが、よく見るとそれぞれがすべて独立している。
 もちろん急速な裸体と王と王女の判別など端から描いていない。
(誰が誰だかわからない)
 つまり、みんな違っているが、だれが王と王女(身分/偉い)などという判別はつかず、それぞれが個性的(大きいのも細いのも小さいのも曲がっているのも色の違うのも・・・)である。
 押し合いへし合いしているが、それぞれが自由で束縛を受けず、組織を作っていない。上も下もないのである。

『急速な裸体に囲まれた王と王女』は、王国の否定である。


 写真は(www.tauschen.com)より
 


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