学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
中国政府は、1月25日、中国の2004年第4四半期の
GDP(国内総生産)は、前年同期比9.5%増と発表した。
この結果、2004年通年のGDPは9.5%増と03年の
9.1%増を更新した。
J.P.Morgan Chaseは中国の2005年のGDPは
8.5%増へ当初見通しの8.2%増を上方修正した。
03年第4四半期の9.9%増のあと3期連続で下回って
いた再び上昇していたことが判明した。
今回のGDP9.5%増発表のあと、さまざまな憶測を
生んだ。
中国政府が進めている景気過熱のソフトランディング
政策がうまく進んでいない証拠だという指摘もある。
9年ぶりの0.27%の利上げのあと様子見していたが
利上げを実施するのではないかとの観測も生まれている。
このところトーンダウンしていた人民元切り上げ問題にも
火をつけるかもしれないとの見方も生まれている。
一方、中国の消費者物価指数は、11月まで4ケ月連続で
下落していたが、12月は2.4%増加した。
12月の中国の小売り高は前年度月比14.5%増加した。
中国の貪欲な食欲は世界から原材料を飲み込んだ結果
世界の原材料価格を押し上げた。
中国国内の交通事情と電力不足がボトルネックとなり
原材料価格上昇を加速させた。
物価上昇の背景には、人民元切り上げの思惑から
海外から投機的な資金が流れ込み物価を押し上げた。
中国政府は人民元切り上げには時間が必要であると
再三発言している。昨今、先進国の間でも急速に
人民元切り上げ観測が後退して来ており、香港や
中国株式市場は年初来値下がりしている。
先進国の人民元切り上げ圧力の背景には、
2004年、中国は貿易黒字を前年比26%、
320億ドル増やした。その結果中国の外貨準備高は
6,099億ドルに達したことも挙げられる。
中国の固定資産投資は2004年に前年対比
25.8%増加した。
中国の製造業への設備投資は2004年、38.3%
増加したが、03年より8%減少した。
中国の農業部門投資は03年の19.6%減から
04年20.3%増加した。これは中国政府が8億の農民の
所得を増やすことに努力しているためである。
サービス部門の投資は21%増と前年並みである。
中国政府は利上げによらず行政指導を強化して
過熱景気を抑えようとしてきた。
中国の労働者は上海や広東に集中しているが、
農村からの出稼ぎ労働者の賃金は月600元、72ドルに
すぎないとの指摘がある。
性急な利上げや人民元切り上げを中国政府が
極端に警戒するのはなぜなのか。
ひとことで言えばいまなお低賃金に甘んじた生活を
強いられている8億の農民を窮地に追いやることを
中国政府中枢部が熟知しているのかもしれない。
GNP9.5%増を発表したものの中国政府の
悩みは尽きないことが十分想像出来る。(了)
中国政府は、1月25日、中国の2004年第4四半期の
GDP(国内総生産)は、前年同期比9.5%増と発表した。
この結果、2004年通年のGDPは9.5%増と03年の
9.1%増を更新した。
J.P.Morgan Chaseは中国の2005年のGDPは
8.5%増へ当初見通しの8.2%増を上方修正した。
03年第4四半期の9.9%増のあと3期連続で下回って
いた再び上昇していたことが判明した。
今回のGDP9.5%増発表のあと、さまざまな憶測を
生んだ。
中国政府が進めている景気過熱のソフトランディング
政策がうまく進んでいない証拠だという指摘もある。
9年ぶりの0.27%の利上げのあと様子見していたが
利上げを実施するのではないかとの観測も生まれている。
このところトーンダウンしていた人民元切り上げ問題にも
火をつけるかもしれないとの見方も生まれている。
一方、中国の消費者物価指数は、11月まで4ケ月連続で
下落していたが、12月は2.4%増加した。
12月の中国の小売り高は前年度月比14.5%増加した。
中国の貪欲な食欲は世界から原材料を飲み込んだ結果
世界の原材料価格を押し上げた。
中国国内の交通事情と電力不足がボトルネックとなり
原材料価格上昇を加速させた。
物価上昇の背景には、人民元切り上げの思惑から
海外から投機的な資金が流れ込み物価を押し上げた。
中国政府は人民元切り上げには時間が必要であると
再三発言している。昨今、先進国の間でも急速に
人民元切り上げ観測が後退して来ており、香港や
中国株式市場は年初来値下がりしている。
先進国の人民元切り上げ圧力の背景には、
2004年、中国は貿易黒字を前年比26%、
320億ドル増やした。その結果中国の外貨準備高は
6,099億ドルに達したことも挙げられる。
中国の固定資産投資は2004年に前年対比
25.8%増加した。
中国の製造業への設備投資は2004年、38.3%
増加したが、03年より8%減少した。
中国の農業部門投資は03年の19.6%減から
04年20.3%増加した。これは中国政府が8億の農民の
所得を増やすことに努力しているためである。
サービス部門の投資は21%増と前年並みである。
中国政府は利上げによらず行政指導を強化して
過熱景気を抑えようとしてきた。
中国の労働者は上海や広東に集中しているが、
農村からの出稼ぎ労働者の賃金は月600元、72ドルに
すぎないとの指摘がある。
性急な利上げや人民元切り上げを中国政府が
極端に警戒するのはなぜなのか。
ひとことで言えばいまなお低賃金に甘んじた生活を
強いられている8億の農民を窮地に追いやることを
中国政府中枢部が熟知しているのかもしれない。
GNP9.5%増を発表したものの中国政府の
悩みは尽きないことが十分想像出来る。(了)