5月11日、NY株式市場は、不透明な地合いの中、
はじめ100ドル近く下げていたが、午後、原油相場が、
バレル50.45ドルへ前日比3%下げたとのニュースを
好感して、終値では19ドル反発して取引を終えた。
原油相場下落は、米EIA(エネルギー省)が、
米原油在庫が増加を続けていると発表したことと
IEA(國際エネルギー機関)が、中国の原油需要が
前年対比大幅に鈍化したと発表が重なったことが
材料にされたようだ。
しかし、今年の原油相場は、下げてもバレル50ドル台である。
60ドル、70ドル、さらには100ドルまでも上値を追う
雰囲気はないが、高値圏であることに変わりない。
話は飛ぶ。
60年前の5月9日、ロシア軍によりベルリンが陥落したことを
祝うセレモニーがモスクワで開催された。
この祝典には、日本からは小泉首相が、米国からは
ブッシュ大統領、中国からは胡錦涛国家主席、敗戦国
ドイツからはシュレーダー首相と50数ケ国の元首が
招かれたと伝えられる。
なぜロシアのプーチン大統領はかくも盛大に
対独60周年を祝ったのか?
プーチン支持率は低下を続けているといわれる。
このままでは2008年期限切れを乗り切れない
危機感から生まれた。
そのプーチン大統領の首をかろうじて
つなぎとめているのが、他でもない
原油高騰であるという見方である。
原油相場は、2002年まではバレル20ドルを長期に
わたり低迷していた。
それが2004年秋にはバレル57ドルと史上最高値を更新し、
下げたとはいえ、なお50ドルの高値圏を維持している。
BusinessWeek最新号(05.5.16)によれば、
ロシア政府は、今年4月、原油高騰を理由に、石油税を
バレル20ドルから27ドルへ引き上げを決めた。
プーチンは国民の不満を和らげる目的で
ロシアGDPの1%、約70億ドルを社会保障費に
回すことを余儀なくされたと同誌は伝えている。
ウラル原油相場は、2004年はじめバレル30ドルで
あった。それが2005年現在45ドルへ50%値上りした。
石油税を20ドルから27ドルへ引き上げ、それを
財源に民衆の不満を和らげる作戦にでたようだ。
この作戦が成功するかはいつにかかって
原油相場次第であると同誌は警告している。
原油相場が暴落すればロシア経済は一気に
破綻する。ロシア経済が比較的安定しているのは
原油相場高騰のお蔭であることだけははっきりしている。
日本ではロシアというと北方領土問題しか
頭にないようである。今回の小泉首相のロシア訪問も
プーチン訪日にラブコールを送る目的だったに違いない。
ところが当のプーチンの頭の中にはおそらく原油問題
現政権の強化しかないことは十分想像出来る。おそらく
領土問題は空手形に終わる可能性は極めて高いだろう。
JR事故が起こると朝から番までJR事故報道である。
地震が起こればどのテレビ局もマスコミ全て地震
一色になる。
ライブドアというと一面トップで新聞各紙が取り上げた。
大阪市職員の不正会計処理問題もJR事故のお蔭で姿を消した。
原油下落、NY株安止める。
世界の原油の50%を米国が消費する。当然原油下落を
株式市場は歓迎する。
日本は原油をほぼ100%輸入に依存している。
その日本でさえ、ガソリン相場がジリジリ値上り
している。
しかし、日本では原油問題に対する関心は極めて低い。
政治家もマスコミも含めて国民ひとりひとりが
原油問題にもう少し関心を持って欲しいと
ただ祈るばかりである。(了)
はじめ100ドル近く下げていたが、午後、原油相場が、
バレル50.45ドルへ前日比3%下げたとのニュースを
好感して、終値では19ドル反発して取引を終えた。
原油相場下落は、米EIA(エネルギー省)が、
米原油在庫が増加を続けていると発表したことと
IEA(國際エネルギー機関)が、中国の原油需要が
前年対比大幅に鈍化したと発表が重なったことが
材料にされたようだ。
しかし、今年の原油相場は、下げてもバレル50ドル台である。
60ドル、70ドル、さらには100ドルまでも上値を追う
雰囲気はないが、高値圏であることに変わりない。
話は飛ぶ。
60年前の5月9日、ロシア軍によりベルリンが陥落したことを
祝うセレモニーがモスクワで開催された。
この祝典には、日本からは小泉首相が、米国からは
ブッシュ大統領、中国からは胡錦涛国家主席、敗戦国
ドイツからはシュレーダー首相と50数ケ国の元首が
招かれたと伝えられる。
なぜロシアのプーチン大統領はかくも盛大に
対独60周年を祝ったのか?
プーチン支持率は低下を続けているといわれる。
このままでは2008年期限切れを乗り切れない
危機感から生まれた。
そのプーチン大統領の首をかろうじて
つなぎとめているのが、他でもない
原油高騰であるという見方である。
原油相場は、2002年まではバレル20ドルを長期に
わたり低迷していた。
それが2004年秋にはバレル57ドルと史上最高値を更新し、
下げたとはいえ、なお50ドルの高値圏を維持している。
BusinessWeek最新号(05.5.16)によれば、
ロシア政府は、今年4月、原油高騰を理由に、石油税を
バレル20ドルから27ドルへ引き上げを決めた。
プーチンは国民の不満を和らげる目的で
ロシアGDPの1%、約70億ドルを社会保障費に
回すことを余儀なくされたと同誌は伝えている。
ウラル原油相場は、2004年はじめバレル30ドルで
あった。それが2005年現在45ドルへ50%値上りした。
石油税を20ドルから27ドルへ引き上げ、それを
財源に民衆の不満を和らげる作戦にでたようだ。
この作戦が成功するかはいつにかかって
原油相場次第であると同誌は警告している。
原油相場が暴落すればロシア経済は一気に
破綻する。ロシア経済が比較的安定しているのは
原油相場高騰のお蔭であることだけははっきりしている。
日本ではロシアというと北方領土問題しか
頭にないようである。今回の小泉首相のロシア訪問も
プーチン訪日にラブコールを送る目的だったに違いない。
ところが当のプーチンの頭の中にはおそらく原油問題
現政権の強化しかないことは十分想像出来る。おそらく
領土問題は空手形に終わる可能性は極めて高いだろう。
JR事故が起こると朝から番までJR事故報道である。
地震が起こればどのテレビ局もマスコミ全て地震
一色になる。
ライブドアというと一面トップで新聞各紙が取り上げた。
大阪市職員の不正会計処理問題もJR事故のお蔭で姿を消した。
原油下落、NY株安止める。
世界の原油の50%を米国が消費する。当然原油下落を
株式市場は歓迎する。
日本は原油をほぼ100%輸入に依存している。
その日本でさえ、ガソリン相場がジリジリ値上り
している。
しかし、日本では原油問題に対する関心は極めて低い。
政治家もマスコミも含めて国民ひとりひとりが
原油問題にもう少し関心を持って欲しいと
ただ祈るばかりである。(了)