プーチンロシア首相が日本を訪問している。ロシアRTRテレビがどのように報道しているかに興味があった。NHK・BS「おはよう世界」が今回のプーチン訪日の様子を詳しく紹介していた。甘いかもしれないが、受けた印象では好意的にまとめている。
麻生総理とプーチン首相は2時間近く会談した。両国は原子力協定を締結した。7月に予定されている日ソ首脳会談では領土問題が主要テーマになるとテレビアナが冒頭に説明した。
プーチン首相は、「ロシアは原子力発電所を32基建設した。2020~22年までに28基の建設を計画している。」と語ったあとで、「平和条約のために経済協力があるのではない。経済を拡大するために平和条約を結ぶ」と語ったと紹介した。
森元総理がテレビ画面に登場し、「2003年にプーチンさんと会った時、ロシアを開かれた国にする。政治経済問題だけでなくロシアとは文化との関係も深い」と語った。そのあと、ドストエフスキーの「罪と罰」のマンガ本が日本で売られているとテレビ画面で紹介された。
プーチン首相が柔道の有段者であるとの紹介があり、柔道の山下さんとプーチンがにこやかに握手する画面が続いた。柔道の哲学を考察した新刊本が日本で出たと紹介していた。
今朝の「おはよう世界」では、ドイツのZTZ局が伝える元ナチスのユダヤ人捕虜収容所看守がユダヤ人2万9000人殺害容疑で逮捕されたニュースを詳しく紹介していた。中国関連では四川省地震被災地に花輪を捧げる温家宝首相の姿と被災地を観光スポットに使う様子を紹介していた。
「おはよう世界」でも、このところ、豚インフルエンザの報道が目立っていた。ところが最近は姿を消した。今朝もなかった。日本の新聞では、連日報道されている。近くの喫茶店でも豚インフルエンザの問題は話題にならなくなった。年寄りに免疫があるという話で、この店には年寄りが大勢集まるせいか、安心感が生まれたのかもしれない。
インフルエンザに限らない。日本では騒ぐだけ騒いであとけろっと忘れる。そのひとつに原油がある。NY原油(WTI)先物相場が、5月12日、一時、バレル60ドルを突破した。投機資金が入りはじめたからだ。金属相場や小麦、トウモロコシが値上がりしてきている。原油が上がりはじめて日本でも再び騒ぎ始めるだろう。
今朝のロシアテレビ局は、日本は原油、天燃ガスの資源がない。ロシアはエネルギー資源が豊富であるとアナウンサーが紹介していた。日本ではこの当たり前のことを、自分の問題として受け止めるひとが少ない。日本は資源の99%を海外から輸入している。資源が上がることは好ましくない。その意味でいえば、資源大国ロシアと太いパイプを結ぶことは、日本の国益としてもプラスである。
輸入ということでは為替はつきものである。ところが、日本では輸出問題しか関心がない。円が高くなると原油同様騒ぐであろう。NY外国為替市場では引き続きドルが売られ、対ユーロで7週間ぶりの安値の1ユーロ=1.3708ドルで取引された。対円で1ドル=96.47円前後、対ユーロでも円が買われ、1ユーロ=131.64円前後で取引されたと今朝のWSJ紙は伝えた。
ロシア関連では、ルーブルが4ケ月振りの高値を更新したと同じくWSJ紙が伝えた。ロシアは原油一本釣りの国である。原油がバレル32ドルまで下げた時は青菜に塩だった。それが60ドルの声を聞くようになり、俄然、ルーブルが元気になってきた。
ただ、ロシア経済の現状は、不振を極めている。2009年のロシアのGDPはマイナス6%とロシア政府が2ケ月前に発表した。当時原油はバレル44ドルだった。現在60ドル目前まで戻った。ロシアは外国から2000億ドルの借り入れをしている。借金を返済し易い。ルーブル相場の回復は間違いなくロシアにプラスである。
原油が上がり、ルーブルの価値が回復してくると7月の日ロ首脳会談では、ロシアは背筋を伸ばして日本との会談に臨むだろう。日本には、背筋を伸ばしてロシア人と対等にわたりあえる政治家がいないと言われる。プーチン訪日ということで、鈴木宗雄さんが日本のテレビに登場する。ロシアとのパイプになる人材が日本に存在しないことを象徴している。
プーチン首相の日本訪問に際して、学校でも家庭でも、ロシアについて、子供たちの間で話題にしてほしい。日本ではロシアと言えば金太郎アメのように領土問題である。ロシアは日本の隣国である。豊富な資源を抱えている。アメリカや中国をけん制する意味でもロシア外交の占める重要性は益々、高まることだろう。(了)
麻生総理とプーチン首相は2時間近く会談した。両国は原子力協定を締結した。7月に予定されている日ソ首脳会談では領土問題が主要テーマになるとテレビアナが冒頭に説明した。
プーチン首相は、「ロシアは原子力発電所を32基建設した。2020~22年までに28基の建設を計画している。」と語ったあとで、「平和条約のために経済協力があるのではない。経済を拡大するために平和条約を結ぶ」と語ったと紹介した。
森元総理がテレビ画面に登場し、「2003年にプーチンさんと会った時、ロシアを開かれた国にする。政治経済問題だけでなくロシアとは文化との関係も深い」と語った。そのあと、ドストエフスキーの「罪と罰」のマンガ本が日本で売られているとテレビ画面で紹介された。
プーチン首相が柔道の有段者であるとの紹介があり、柔道の山下さんとプーチンがにこやかに握手する画面が続いた。柔道の哲学を考察した新刊本が日本で出たと紹介していた。
今朝の「おはよう世界」では、ドイツのZTZ局が伝える元ナチスのユダヤ人捕虜収容所看守がユダヤ人2万9000人殺害容疑で逮捕されたニュースを詳しく紹介していた。中国関連では四川省地震被災地に花輪を捧げる温家宝首相の姿と被災地を観光スポットに使う様子を紹介していた。
「おはよう世界」でも、このところ、豚インフルエンザの報道が目立っていた。ところが最近は姿を消した。今朝もなかった。日本の新聞では、連日報道されている。近くの喫茶店でも豚インフルエンザの問題は話題にならなくなった。年寄りに免疫があるという話で、この店には年寄りが大勢集まるせいか、安心感が生まれたのかもしれない。
インフルエンザに限らない。日本では騒ぐだけ騒いであとけろっと忘れる。そのひとつに原油がある。NY原油(WTI)先物相場が、5月12日、一時、バレル60ドルを突破した。投機資金が入りはじめたからだ。金属相場や小麦、トウモロコシが値上がりしてきている。原油が上がりはじめて日本でも再び騒ぎ始めるだろう。
今朝のロシアテレビ局は、日本は原油、天燃ガスの資源がない。ロシアはエネルギー資源が豊富であるとアナウンサーが紹介していた。日本ではこの当たり前のことを、自分の問題として受け止めるひとが少ない。日本は資源の99%を海外から輸入している。資源が上がることは好ましくない。その意味でいえば、資源大国ロシアと太いパイプを結ぶことは、日本の国益としてもプラスである。
輸入ということでは為替はつきものである。ところが、日本では輸出問題しか関心がない。円が高くなると原油同様騒ぐであろう。NY外国為替市場では引き続きドルが売られ、対ユーロで7週間ぶりの安値の1ユーロ=1.3708ドルで取引された。対円で1ドル=96.47円前後、対ユーロでも円が買われ、1ユーロ=131.64円前後で取引されたと今朝のWSJ紙は伝えた。
ロシア関連では、ルーブルが4ケ月振りの高値を更新したと同じくWSJ紙が伝えた。ロシアは原油一本釣りの国である。原油がバレル32ドルまで下げた時は青菜に塩だった。それが60ドルの声を聞くようになり、俄然、ルーブルが元気になってきた。
ただ、ロシア経済の現状は、不振を極めている。2009年のロシアのGDPはマイナス6%とロシア政府が2ケ月前に発表した。当時原油はバレル44ドルだった。現在60ドル目前まで戻った。ロシアは外国から2000億ドルの借り入れをしている。借金を返済し易い。ルーブル相場の回復は間違いなくロシアにプラスである。
原油が上がり、ルーブルの価値が回復してくると7月の日ロ首脳会談では、ロシアは背筋を伸ばして日本との会談に臨むだろう。日本には、背筋を伸ばしてロシア人と対等にわたりあえる政治家がいないと言われる。プーチン訪日ということで、鈴木宗雄さんが日本のテレビに登場する。ロシアとのパイプになる人材が日本に存在しないことを象徴している。
プーチン首相の日本訪問に際して、学校でも家庭でも、ロシアについて、子供たちの間で話題にしてほしい。日本ではロシアと言えば金太郎アメのように領土問題である。ロシアは日本の隣国である。豊富な資源を抱えている。アメリカや中国をけん制する意味でもロシア外交の占める重要性は益々、高まることだろう。(了)