米時間、水曜日、5月14日のNY株式市場は、米商務省が発表した4月米小売高が、予想の0.1%増が、マイナス0.4%へ、また3月の速報データが、マイナス1.2%をマイナス1.3%へ下方修正したことを嫌気して、ほぼ全面安の展開となった。
NYダウは前日比184ドル安、8,284ドルで取引を終了した。ハイテク株指数のナスダックも3日連続の下げの前日比マイナス51の1,664で取引を終了した。金融株がマイナス6.5% 素材株がマイナス4.5%だったとNHK・BSが紹介したブルームバーグ・ニュースが伝えていた。
米国景気は期待どおりには回復していない。小売高減少のデータを見て、改めて、米国経済の実勢悪を思い知らされた感じである。住宅に関するデータも回復は思わしくない。カリフォルニアで4月の住宅価格が34%値下がりしたと先のブルームバーグの記者が解説していた。
NY外国為替市場では、引き続きドルが売られた。ドル売りはここ数日続いているが、この日は特に対円でドルが売られ、1ドル=95.78円前後で取引されたと今朝のWSJ紙が伝えている。トヨタの今期の決算見通しの記者会見では1ドル=95円で計算していた。さらに円高が進めば、「為替が円高にぶれた」と、為替のせいにして、業績見通しを、あっさりと、下方修正するのであろう。
為替の動きに左右されない企業体質に変えない限り安定した収益を出せない。口で言うのは簡単だが、輸出に軸足を置いて,為替頼みでプレーを続けていかざるを得ないため、現実問題として、トヨタの業績改善は、生半可な対策では解決しないと思われる。
為替が円高に進んだ背景に、ホワイトハウスが、09年度の米財政赤字が1.841兆ドル(ドル95円換算:170兆円)と当初予測より890億ドル多かった。日本の民主党議員で金融担当の代議士が、米国債を継続して買うことは疑問だと発言したこともドル売りを誘ったとWSJ紙は紹介していた。
NY債券市場で、株安と米小売高が予想外に落ちたことから、安全資産として債券に見直し買い が入った。ここ数日、米景気底入れ期待を受けて株が上げ、その反動で債券が売られ利回りは、10年物国債で年3.383% まで上げていたが、今朝は3.092%まで低下したとWSJ紙は伝えた。
NY原油(WTI)先物市場は、バレルあたり前日比83セント、1.4%安い、58.02ドルで取引された。米EIA(エネルギー情報局)は、ここ9ケ月増加を続けていた原油在庫が日量470万バレル減少したと発表した。在庫減は買い材料だが、予想外の小売データと株価大幅安が、原油の需要減を連想させ、売られたとWSJ紙は解説している。
原油関連では、4月の中国の石油精製量が、昨年10月来初の増加に転じたとの発表はあったが、中国の石油在庫は相変わらず増え続けているとの情報が相殺した。OPECが生産枠を超えて生産していたという情報が流れた。5月28日開催のOPEC総会では減産出来ないとの見方があるとWSJ紙は紹介している。
人が集まるところにお金は落ちる。人を鳥に置き換えて眺めてみると今朝の株式、債券、原油の動きはよりわかりやすい。人はあれこれ詮索する。人は理屈をつけて、かえって袋小路に追い込まれる。鳥に確かめたことはないが、鳥の方が、命がけで、理屈抜きで、臨機応変に対応していると思う。
とかく相場の世界では、人は、つい金の亡者になってしまう。お金より大事なものが、世の中には、たくさんある。その最たるものが、命である。そのことを、鳥や生き物から人は学ぶ必要があるのではないかと常々思う。
竹田和平さんが『けっきょくお金は幻です』という新刊本をサンマーク出販から出される。発売日は5月16日である。事前にメールで転送してもらったプロローグを拝見した。一冊1400円だが、時間が許す方は、是非お読みいただきたいと思う次第である。
竹田和平さんは、「日本一の個人投資家」として、知る人ぞ知る方である。「なぜ私のもとにお金が集まってきたのか」、「金融危機が起こった本当の理由」、「うまくいかないときこそ、あたりまえに徹する」、「お金より大切なものを忘れてはならない」など人生万般に通じるお話が詰まっている。
目に青葉 山ほととぎす 初鰹。窓外に、まばゆいばかりに輝く、新緑の六甲の山並みが見える。世の中、不景気だ、不景気だと騒いでいる。お金が人を狂わす事例が身の回りに氾濫している。(了)
NYダウは前日比184ドル安、8,284ドルで取引を終了した。ハイテク株指数のナスダックも3日連続の下げの前日比マイナス51の1,664で取引を終了した。金融株がマイナス6.5% 素材株がマイナス4.5%だったとNHK・BSが紹介したブルームバーグ・ニュースが伝えていた。
米国景気は期待どおりには回復していない。小売高減少のデータを見て、改めて、米国経済の実勢悪を思い知らされた感じである。住宅に関するデータも回復は思わしくない。カリフォルニアで4月の住宅価格が34%値下がりしたと先のブルームバーグの記者が解説していた。
NY外国為替市場では、引き続きドルが売られた。ドル売りはここ数日続いているが、この日は特に対円でドルが売られ、1ドル=95.78円前後で取引されたと今朝のWSJ紙が伝えている。トヨタの今期の決算見通しの記者会見では1ドル=95円で計算していた。さらに円高が進めば、「為替が円高にぶれた」と、為替のせいにして、業績見通しを、あっさりと、下方修正するのであろう。
為替の動きに左右されない企業体質に変えない限り安定した収益を出せない。口で言うのは簡単だが、輸出に軸足を置いて,為替頼みでプレーを続けていかざるを得ないため、現実問題として、トヨタの業績改善は、生半可な対策では解決しないと思われる。
為替が円高に進んだ背景に、ホワイトハウスが、09年度の米財政赤字が1.841兆ドル(ドル95円換算:170兆円)と当初予測より890億ドル多かった。日本の民主党議員で金融担当の代議士が、米国債を継続して買うことは疑問だと発言したこともドル売りを誘ったとWSJ紙は紹介していた。
NY債券市場で、株安と米小売高が予想外に落ちたことから、安全資産として債券に見直し買い が入った。ここ数日、米景気底入れ期待を受けて株が上げ、その反動で債券が売られ利回りは、10年物国債で年3.383% まで上げていたが、今朝は3.092%まで低下したとWSJ紙は伝えた。
NY原油(WTI)先物市場は、バレルあたり前日比83セント、1.4%安い、58.02ドルで取引された。米EIA(エネルギー情報局)は、ここ9ケ月増加を続けていた原油在庫が日量470万バレル減少したと発表した。在庫減は買い材料だが、予想外の小売データと株価大幅安が、原油の需要減を連想させ、売られたとWSJ紙は解説している。
原油関連では、4月の中国の石油精製量が、昨年10月来初の増加に転じたとの発表はあったが、中国の石油在庫は相変わらず増え続けているとの情報が相殺した。OPECが生産枠を超えて生産していたという情報が流れた。5月28日開催のOPEC総会では減産出来ないとの見方があるとWSJ紙は紹介している。
人が集まるところにお金は落ちる。人を鳥に置き換えて眺めてみると今朝の株式、債券、原油の動きはよりわかりやすい。人はあれこれ詮索する。人は理屈をつけて、かえって袋小路に追い込まれる。鳥に確かめたことはないが、鳥の方が、命がけで、理屈抜きで、臨機応変に対応していると思う。
とかく相場の世界では、人は、つい金の亡者になってしまう。お金より大事なものが、世の中には、たくさんある。その最たるものが、命である。そのことを、鳥や生き物から人は学ぶ必要があるのではないかと常々思う。
竹田和平さんが『けっきょくお金は幻です』という新刊本をサンマーク出販から出される。発売日は5月16日である。事前にメールで転送してもらったプロローグを拝見した。一冊1400円だが、時間が許す方は、是非お読みいただきたいと思う次第である。
竹田和平さんは、「日本一の個人投資家」として、知る人ぞ知る方である。「なぜ私のもとにお金が集まってきたのか」、「金融危機が起こった本当の理由」、「うまくいかないときこそ、あたりまえに徹する」、「お金より大切なものを忘れてはならない」など人生万般に通じるお話が詰まっている。
目に青葉 山ほととぎす 初鰹。窓外に、まばゆいばかりに輝く、新緑の六甲の山並みが見える。世の中、不景気だ、不景気だと騒いでいる。お金が人を狂わす事例が身の回りに氾濫している。(了)