蚤の市Clognancourt
江嵜企画代表・Ken
パリツアー初日の5月16の日は、小雨まじりの中で始まった。ヴェルサイユ宮殿見学を堪能したあと、パリ市内北のはずれ、環状高速道路傍のクリニャンク―ル通りにある蚤の市を訪れた。バスはガソリンスタンド傍の空き地に駐車した。
バスを降りる前、ガイドさんの第一声は、スりには絶対注意すること、貴重品以外はバスに置いておくこととの警告だった。バスを降りて交差点を渡り高速道路高架下をくぐると、神戸市内でも戦後しばしば見られた俗に言う闇市の雰囲気が眼前に展開した。
パリ有数の観光地、蚤の市クリニャンク―ルという名前に騙されてはいけない。道をうろつく人間の目付きがまずよくない。ねぎとカモをしょって歩く旅行者は格好の標的になる。スりにご注意と叩き込まれたことが人混みに入ったとたん実感する。スりに注意、スりに注意と言い聞かせながら歩くのである。
幸いツアーメンバーにも数回ここを訪れた方もいた。なにごとも、先達はあらまほしきかなである。ありがたくお尻をついて歩いた。怖い場所ばかりでないことが徐々に分かってきた。骨董品、家具、仏像なども並んでいた。古い地球儀もあった。高価なアンティークを置いたしゃれた店では、店主と店のたたずまいが一枚の絵になる店が結構あった。
カメラ持参の方は盛んにシャッターを押していた。絵心を刺激されたが、スリだ、スリだと刷り込まれてきたのでとてもスケッチする心の余裕は正直なかった。
クリ二ャンクールの蚤の市には登録業者だけでも2500軒あると後で聞いた。3000というひともいる。我楽多市という人もいる。人さまざまであろう。掘り出し物を買われたという話は少なくともツアー仲間から聞かれなかった。好学の向きは是非お尋ねいただきたい。
軽く回ってガソリンスタンドに戻った。ガソリンの値段がどうしても気になる。値段をみたらレギュラーガソリンがリッター1.13ユーロと出ていた。1ユーロ=135円で換算153円になる。
添乗員のOさんと運転手のカルロスさんが運転席に見えた。バスを中心に回りの風景をスケッチした。(了)