ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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江戸切子「華硝」、熊倉千砂都さん大いに語る(スケッチ&コメント)

2019-04-01 09:32:13 | スケッチ


熊倉千砂都さん大いに語る

江嵜企画代表・Ken



祖父の代から江戸切子が家業の店「華硝(はなしょう)」取締役、熊倉千硝都さんを語り手に迎えて、3月30日(土)午後4時から第112回「酒蔵文化道場」が神戸酒心館ホールで開かれ楽しみに出かけた。

「子供ころから家業の嫌なところばかり見て育った。家業を嫌い、社会科教員として学校に就職した。旅行先で会ったあるイギリス人から「こんな素晴らしい仕事をあなたは捨てるのか」と言われ、日本文化の一つとして江戸切子に誇りを持ち、喧嘩しながらも、今の仕事を始めて12年経ちました」と熊倉さんは話を始めた。

「江戸切子と言いますが、船場切子が一番早いと聞いています。現在、一人二人しか残っていない。二大切子として江戸切子と薩摩切子があります。薩摩切子は江戸末期、参勤交代で江戸に来た島津斉彬のお父さんが江戸切子を見てきれいだと評判になった。薩摩藩は当時貧しかった。薩摩に持って帰って藩振興策として切子を育てたのが今に伝わる薩摩切子です。」と話した。

「江戸切子は、ペリー来航の時、こんなすごいものが江戸にあるのかと評判になった。今のお金にすれば数百万円もする高級品の流れです。江戸切子にも二つの流れがあります。明治に入り、国産振興策としてイギリス人技師を招いて品川に工場を建て量産された。安く出来たので生活の中で使われた。現在は高級品の流れで江戸切子は贈答品が8割です。それでも一般の人々の間では、江戸切子のことはほとんど知られていません。」と話した。

「『華硝』、亀戸本店、日本橋店で江戸切子の運営に携わりながら江戸切子文化の発信に努力しています。日本政府や東京都の認定企業としても様々な業務を担当しています。」と話を続けた。

「光栄なことに、江戸切子はG7洞爺サミットで贈答品に採用された。別名オバマ切子として有名です。江戸切子の仕事に携わることが出来たために多くの国賓の方々と会う機会が増えました。オバマ大統領への贈答品には1万円以下という条件がありました。トランプ大統領の長女のイワンカさん来日の時「工場の建物の硝子窓は防弾ガラスでできているか。」と確認を求められたので驚いた。」と珍しいエピソードが紹介された。

江戸切子はどうして作るのか。「色のついた硝子をカットすると白が出てきます。繊細な模様をカットで描くために高度な技術を必要とします。さらに透明な輝きの決め手になるのが磨きの技術です。全て手作業です。上手な人は手首に力をいれない。また肩に力を入れるといい作品が出来ない。外国人は「設計図はないのか」とよく言う。日本人は紙に書いて残すことをしない。技術を1人、1人が追求し続けます。父は「頭の中にリズムがある」と言います。下書きなしで技術の継承が続いている。最近は作業効率から薬品仕上げが増えました。薬品仕上げには微妙な傷がつきます。表面の柔らかい手触りは手で磨くことではじめて生まれます。手作りには作った人の体温が感じられます。手作りだからこそ生まれる暖かさだと思います。」と熊倉千砂都さんは力を込めた。

「「華硝」では、鉛を15%含むクリスタルガラスは、削るときに鉛が流れ出るためクリスタルガラスを使いません。当社は天然の砂で出来たソ―ダ硝子を使いますから環境に負荷をかけません。環境問題に厳しいドイツでは贈りものには大切なポイントです。」と触れた。

質問時間入れて1時間半の講演を紙一枚に書ききれない。質疑応答の中では「①手作りで仕上げるためAIで記憶された作業では作れない作品が出来る。②江戸切子発信に努めているが日本の良さ、日本人の良さを伝えている。③当社は百貨店に置いていない。毎日一杯一杯でやっているが、インターネット普及のお陰で、百貨店に置いていないことが見直される時代になった、④日本酒を切子で飲むとキラキラ感がありよりおいしく飲める。色は緑がおいしく感じる。⑤たわしで洗っても傷がつかない。」と答えた熊倉千砂都さんの言葉が印象に残った。

貴重な場を用意いただいた安福会長さんはじめ神戸酒心館の事務局の皆様にひたすら感謝である。(了)



江戸切子


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