米労働省は3日、4月の米雇用数は前月比17.5万人増加(予想:24.3万増・3月:31.5万増)と発表した。4月の米失業率は3.9%と3月の3.8%から0.1%ポイント上昇した。米FRBの年内利下げ観測が再び浮上、NY株は3主要指標共値上がりした。米債利回りが低下、NY外為市場で、一時、1ドル=151円台までドル安・円高が進んだと3日、ブルームバーグ、WSJ紙、NYタイムズ、ワシントンポスト電子版がそれぞれトップ扱いで報じた。
3日、NY市場でダウは38,675ドル、450ドル、1.18%高、S&P500は5,127と63ポイント、1.26%高、ナスダックは16,156と315ポイント、1.99%高出取引を終えた。肥満症薬「Maritide」の初期検査で「自信のある結果が出た」とRobert Bradway CEOが発表したアムジェンが311.29ドル、11.82%高、1銘柄でダウ指数を215ポイント押し上げた。アップルが自社株買い発表のあと183.38ドル、5.98%高、1銘柄でダウを67ポイント押し上げた。
恐怖指数VIXは13.49と8.11%低下。米10年債利回りは4.500%と1.49%低下。NY外為市場で1ドル=152.90円、0.35%安、1ユーロ=164.59円、0.25%安、1英ポンド=191.87円、0.19%安。NY原油(WTI)はバレル78.04ドル、1.15%安、北海ブレント、同82.86ドル、0.97%安。NY金はオンス2,312.70ドル、0.05%安。ビットコインは6万2,782ドル、6.20%高でそれぞれ取引された。
5月4日はみどりの日で祝祭日でNHK/BS「ワールドニュース」はお休み。以下主要米国紙電子版で順不同でまとめた。
NYタイムズ紙電子版。「①米4月雇用数17.5万人増、予想を大きく下回る。4月失業率は3.9%と27か月連続で4.0%以下だった。4月「時給」は前年比3.9%増と3月の4.1%から鈍化した。②ウクライナ戦争、西側からの武器調達が大幅に遅れ、ロシア軍侵攻した。③親パレスチナ派デモが豪州、英国、フランスに波及している。」と伝えた。
ワシントンポスト紙。「①米4月の失業率が3.9%へ増加したが17か月4.0%以下をキープした。②米国沿岸の海水面の水位が
2010年から6~7インチ上昇した。」と伝えた。
WSJ紙電子版。「米4月雇用数が17.5万人増加した。伸び率が6か月振りの低さだった。②バイデン米大統領は国内で学生デモ、国外でガザ地区対応出来ず立ち往生している。学生デモへの対応の遅れを厳しく批判されている。③中国が月の裏着陸を先行させている。④対ロシア制裁の余波でボーイング787ドリームライナー納入が遅延している。」と伝えた。
ブルームバーグ電子版。「①米4月の雇用数が17.5万増と予測24万増を大きく下回った。市場は飛びついたが、エコノミストの多くは複数月データを見る必要があると指摘している。②4月ISM非製造業指数が49.4と50を割り4年振りに「縮小圏」に入った。業況指数は50.9と6.5ポイント低下した。パンデミックによる事業活動閉鎖の2020年5月以来最も低い。調査対象の大半の回答が「インフレと地政学リスクを懸念材料に挙げた。一方、価格指数は52と3月の51.4を上回った。」と伝えた。
問題は日本である。当欄は原油・為替・金利の3点セットを一貫して注目している。原油が米国に供給を絶たれて日本は戦争に踏み切った。原爆を落とされて戦争は終わった。海外旅行の時だけ為替レートに関心を持つ。旅行から帰ると日本人は忘れる。日本は自国通貨の価値が下がって喜ぶ珍しい国である。資源の99%を海外に依存している以上、生産性を上げ価値ある商品を造り続けない限り日本という国は生きていけない。日銀が4月にプラス0~0.1%金利に鼻先1ミリだけ水面に浮上した。1ドル=160円へ上げた後3日の米雇用数の伸び率鈍化を材料にNY市場で一時、1ドル=151円台と乱高下しているが5月単月の米雇用統計だけ見て雨が止んだと飛び出すと雷に打たれる。負けるよりは勝つ方がいいに決まっているが、長いペナントレースでは、1つ勝っただけで優勝したような気になっていると、答えははっきりしている。耳ざわりな声にも謙虚に耳を傾けることが出来る日本の若者が一人でも多く育って欲しい。(了)