山の日の8月11日の朝更地パトロールに出かけた。8月11日が山の日の祭日に選ばれた理由として「八」の字が山。11日が「林」を意味しているためだとヤフーのブログに出ていた。
行きがけの駄賃という言葉がある。この日は、蝉の抜け殻が眼に入ったので目の前の抜け殻をスケッチして自宅で彩色した。
たまたま一円玉の半分もない蜘蛛が巣を張っていたので、おまけに描き込んだ。蜘蛛ちゃんの名前は知らない。背中にいっぽん金色の筋が走っていた。
抜け殻は場所を選ばない。フエンスのネットの上。金木犀の茂みの上。白粉花の葉。南天の枝。木の種類も選ばないようだ。地中から出て来た時、目の前にあるものに登るのかもしれない。葉っぱの先などは不安定極まりないと思うが、抜け殻をよく見ればしっり爪を伸ばして葉にひっかけているのが分かる。
ヤフーのブログによれば脱皮には1時間ほどかける。夕方暗くなってから脱皮を始める。脱皮の時が一番狙われやすい。明るい時は脱皮はやらないと出ていた。
先日蝉の一生は幼虫で7年。成虫で7日せいぜい10日とのヤフーの記事を紹介した。ところがある小学生が自分で捕まえた蝉の羽にマークを付けて観測した。1か月近く生きている蝉が居ると研究成果を発表した記録があると当欄愛読者の一人で同窓のFさんからのメールが届いた。ある伊読者のご婦人からは先日の蝉のスケッチは愛情がこもっていた。良かったとのエールもいただいた。花もいいが蝉の絵は新鮮に感じたというお便りも届き元気をいただいた。
自宅マンション道一つ隔てたところに旧神戸市立住吉幼稚園の内庭の一角に桜の木があり花見を楽しんだ。夏になれば蝉が賑やかに鳴いていた。マンションのベランダにもよく飛んできていた。抜け殻も落ちていた。それが二年ほど前に切り倒された。いまだんじり倉庫とワンルームマンションに姿を変え蝉の鳴き声も消えた。
7年かけた生活を終え、さあ、いよいよ、脱皮しようとしたが、今年も、表に出られず絶命したでろう多くの蝉が居るに違いないと思うと実に切ない。
いつまで更地のパトロールを続けられるか全く自信はないが、いま暫くは蝉との対話を楽しみたいが、まずは健康に留意して、目の前の猛暑を乗り切りたい。(了)