「のびやかスペースあーち」(神戸市灘区)で開かれた、
ある市民団体が開いた講演会に出かけた。
講師は初来日したアーネスト・スターングラス博士と同氏の共同研究者の
ローレン・モレさんの2人で、通訳が入ったがたっぷり二時間興味あるというか
恐ろしいと言ったほうがいい話を聞くことが出来た。
スターングラス博士は、ケネディ元米大統領のころ、大気圏核実験が
アメリカ市民に与える影響を米上院に報告し実験を中止させた科学者の
一人である。
モレさんは元ローレンス・リバモア核兵器研究会の研究員の経験もあり
米政府に嫌がらせを受け、現在は日本で放射線がいかに人体に影響が
あるかを市民レベルで訴えている。特に主婦のパワーに期待すると
話された。
スターングラス博士は、放射性核降下物と原子炉核廃棄物による
人間の健康に対する広範囲は医学的影響調査を行い、米議会に
発表している。
広島・長崎の原爆に始まり、米国本土のネバダ核実験と続き、
旧ソ連のチエルノヴイエ原子力発電所事故以降の特にがん患者
発生との因果関係をデータに基づき映像つきで詳細な説明があった。
原子力発電所はクリーンであると宣伝しているがこれは
まやかしである。放射能が発生するかどうかが問題であり
放射能をカバーするかどうかを議論してもはじまらない。
薄めてもむしろ拡播を助けるだけで危険性は高まると話した。
原子力発電所が50箇所ある日本がいかに放射能に
汚染されているか。妊婦を通じて胎児のガン発生との
つながり、乳歯は因果関係を教えてくれる貴重な資料と
なっていると話した。
現在米国では天然ガスを燃料に使って発電する方策が
取られ様としているがコスト的にも望ましい方向であろうと
説明していたのが印象に残った。
モレさんはより具体的に放射能の人体への影響について
語った。
彼女はMental ilnessと表現していたが、いわゆる心の
病気と放射能との因果関係について、アフリカ4.2%、
日本9.8%、ウクライナ19%、フランス17%、
メキシコ12%、米国26%と米国で心の病気が
急増していると指摘した。
フランスは消費電力の70%以上を原子力発電に依存しえいる。
ウクライナは例の爆発事故と関係している。
日本も原子力発電所が多いと指摘した。
米国については、広島・長崎に原爆を落とし、原爆実験を繰り返してきた
結果、放射能の影響を一番強く受けていると自嘲的に話していた。
スターングラス博士は肺がんをタバコのせいにしているが
放射能との因果関係がはるかに強いと指摘していた。
モレさんは自閉症や糖尿病での放射能の影響を話した。
講演のあとスケッチしたスターングラス博士の似顔絵に
サインを頼んだら「アインシュタインに似てるかな」と
いたずらっぽくウインクしてスケッチ帳の片隅に
以下のように書いてくれた。
I am very happy to be in Japan.
Ernest Starnglass
今回の講演会はピアニストであり市民活動家でもある
池邊幸恵さんから案内された。講演に先立ち
彼女がピアノを弾いた。
講演会の会場は保育所の隣でもあり、家庭の主婦が
多かった。胎児や自らの乳がんへの影響について
真剣に聞いていた。
草の根の市民活動を通じて放射能の怖さを改めて
認識した主婦も多かったに違いない。(了)
江嵜企画代表・Ken
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3 C0071 1905E
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
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