思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

理想を求める心が、おぞましい人と社会をつくります。ありのままを受け入れる心がないと、永遠に不幸が続きます。

2019-06-04 | 教育

何事もみなそうですが、
特に子育て・教育において最悪なのは、「理想」を求める心、言葉と行為です。

ふざけたり、悪さをしたり、「ばか」「クソ」という悪い言葉を言うことを認められないで育つ子は、心に不満をためます。マイナスとみなされる感情を表出することを禁じられて育つと人間はどうなるか?

欧州でテロや殺人を行う家庭の半数以上は牧師の家の子であるという衝撃の事実が明らかになったのは、精神科医のアリス・ミラー著『魂の殺人』によります。もうだいぶ前の著作で、世界的なベストセラーになりましたが、数多くの犯罪者とその家庭を調べた上で、記憶にもない幼少期において抑圧された精神(悪いとされる言葉や感情が禁止される)がもたらす結果について報告したものです。

「理想」を求め、その鋳型にはめる、上手に誘導するという教育=躾と称される行為のおぞましさがよく分かります。

必要なのは、豊かな表情と目、ボディーランゲージ、スキンシップを含む最広義の『対話』です。心身全体での交流=対話なしに育った=躾けられた人間の歪みは、暴力(家庭内暴力や戦争肯定のウヨク戦前思想なども含む)の正当化をもたらします。

必要なのは、ありのままを受容し、一緒におどけ、ふざけ、悪さもする大人の存在なのです。

この真理が分からないと永遠に不幸が再生産されます。

 



武田康弘


 

 

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