ブッダ(釈迦)の根本思想は、以下です。
まず、人間はみな「天上天下唯我独尊」として生まれてきた、という人間存在論です。この天にも地にも我独り尊いという存在、それがわたしです。だから、他と比べて優れているとか劣っているとか中間だとかという見方・考え方は根本的に誤りです。本来、わたしは誰にも比べられない尊い存在なのです。それを知れば、生あるものへの限りない慈しみの心が自ずと湧き上がってきます。みな唯一の命です。
次は、29才の時に出家して瞑想し、苦行をしても、老病死への苦悩を克服できずにいましたが、35歳のときにすべては「縁」により成り立っていてることを悟りました。自分の力ではなく、生まれる縁が整えば生まれ、死ぬ縁が整えば死ぬ。さまざまな苦悩は、それを受け入れずに生に執着する心から起きる。執着こそが苦しみの原因であることを見ぬいたのでした。老病死を自分の外に見て、そこから逃げようとするところに苦しみが生まれる。老病死を自分の中でしっかりみつめることで、自分への囚われから解放されることを知ったのでした。みな共に生きているのです。これを「縁起の法」と言います。
最後は、遺教として知られている「自帰依ー法帰依」です。神とか権威とか他人ではなく、自分自身を拠り所にせよ。法(法則・自然)を拠り所にせよ。というものです。基軸・足場・土台は、自己にあることの自覚と実践です。
「唯我独尊」 と 「縁」 と 「自帰依・法帰依」の三つがブッタ(釈迦)の根本思想だとわたしは思います。根源的で見事な実存思想です。
武田康弘
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