原子力規制委員会 新規制基準を決定 電力各社、再稼働申請へ だそうだ。
安全基準そのものにも問題があるようだ。
私が最も心配するのは、原発事業者からの各種申請に問題があるかどうかを見抜くための人・物・金を確保できるか(規制の実効性を担保できるか)という事だ。
原子力規制委員会と安倍政権へ、アメリカ原子力委員会元委員長ヤツコ氏の言葉を贈りたいと思う。
“原発のリスク”を問い直す~米・原子力規制元トップ 福島への旅~ 日本で安全な原子力発電は可能か?(NHKETV特集から)
政府や電力会社は
●本当の意味での住民との新たな契約が必要です。「社会に重大な影響を与えるような事故を決して起こさない」という契約です。原発の安全の新しい考え方で必ず実行すべきだと思います。原発事業者や政府には責任があるのです。周囲の住民に甚大な被害を与えてはならない責任が生まれるのです。福島の事故は住民との契約が欠かせないということを明らかにしました。大量の放射性物質の放出や大規模避難を許さないという契約です。住民と原発事業者に新しい「社会契約」が欠かせないのです。
●規制機関は
法的な独立だけでなく、機能面でも独立していなければなりません。原発の検査や確認を行い、判断を下せる人材を独自に確保しなければなりません。それは非常に難しく継続的な人材育成が必要です。
●福島の教訓から学ぼうと安全対策の強化が提言されています。
●日本では大勢の人々が住む土地を追われ、人生と未来を奪われたままです。
●これは想像を絶する苦難であり、二度と繰り返してはなりません。
●健康被害がほとんど出ていないからといって、放射能の大量放出を容認できるか?
●私たちは最も基本的な問題を、自らに問い直さなければなりません。
●現行の安全目標をもとに判断すれば「イエス」となります。
●しかし、福島の事故後の業界や政府、市民の不安をもとに判断すれば「ノー」です。
●本当の答えは「ノー」であることは明らかです。
●私は原発の安全性を新たな形で定義する必要があると思っています。
●事故の時、大規模な避難をしなくても済むような原子炉の設計を考えなければなりません。
●全ての事故を起こらないよう防ぐのはあまりに難しいからです。
●原発事故で大勢の人が強制的に避難せざるを得ないような事態を避けるべきです。
●大規模で長期の住民避難は受入れ難いものだからです。
●原発の安全考える上で大きな問題は、事故を確率論で考えてしまうことです。
●事故の確率が100万分の1でも、「明日起きないとは限らない」という事を忘れがちです。
●100万分の1の確率とは「100万年に1回しか起きないと言う意味ではないのです。
●規制機関が判断を働かせ、想定外と思われる事態に対しても、対策をする必要があると決定を下さなければならないのです。
●今回の規模の津波が過去にも起きていたという指摘があります。千年や二千年に一回というのは大いにあり得るとは言えません。けれども実際に起きたのです。起きてしまってから「対策の不備」指摘しても意味がありません。
●電力会社は「起きる確率の低い」事故に注意を払おうとはしません。規制機関は「起きる確率の低い」事故に目を向け、難しい決断を下さなければならないのです。
●「信頼を得るというのは大変だが失うのは容易だ」ということです。信頼を取り戻すには判断を下す時の透明性がとても大事なのです。