★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

ドヴォルザークはやっぱりすごかったの巻

2010-09-29 23:34:52 | 音楽
ドヴォルザークの交響曲第8番を聴く。中学の時に、吹奏楽で第一楽章をやってみて、あまりの自分たちの下手さにトラウマになって以来、あまり聴く気がしなかったのであるが、改めて聴いてみると、超のつく名曲だった。

第一楽章と第二楽章で、「なんだ普通の名曲か~」と油断していると、第三楽章のワルツが始まり、そこらの歌謡曲の作曲者が全員離職を考えるほどセンチメンタルなメロディーにびっくり。第四楽章は、トランペットのファンファーレで「なんだ普通の第四楽章か~」と思っていると、これでもかと思うほどダサイ(いや民族色豊かな←棒読み)メロディーがいくつか形を変え組み合わされてなんだが興奮してくるぞ、と油断していると、「♪コガネムシ~は金持ちだ~」によく似たメロディーまで飛び出してくるのだが、あまりに展開がうまいので、さっきまで「チェコはヨーロッパの田舎」とか「さすが民族主義」とか「民謡で交響曲つくるとはベートーベンに申し訳ないとおもわんのかっ」と思っていた聞き手は、もはや「チェコは素晴らしい国です。あいらぶちぇこ」と口走ってしまうのである。

彼のあと、さまざまな民謡を使ったクラシック音楽が作られるわけであるが、やはり誰かが大成功するまで、路線というものは始まらない。

そういうドヴォルザークであるが、鉄道マニアで、ガタンゴトンの音がいつもと違うと言って故障を発見したり、機関車一台と自分の全作品を取り替えてもいいと言い出したり、家庭教師先の教え子に手を出そうとして結局その妹と結婚したり……と、かなり面白い人であった。