ありのままが変容の場

精神的な道では、"ありのままの自分を見つめよう"など自己観察が奨励されたりします。
すると、途端に"ありのままの自分って何だ？"という思いに駆られ、ちっともありのままでない状態になったりしませんか？
自分で自分を観察するというのは、私の経験では実に困難なことです。
自分で自分のことが分からないんだから、それも当然すぎることとも思えます。
しかし、今の、ありのままの自分の居りどころを示されるということは、その人生を決定づけてしまうほどホントに、ホントーに重要なことです。
そうです。それは示されるということ...他から示されて初めて知らされることでは無いでしょうか？
これをいつも私は、自己観察と捉えられ勝ちな"観照"というものと区別する意味で"照明"と呼んでいます。
こういうことは自分の思いで、意志で"デキル"と思い込んでいる人には理解出来ないでしょう。
ずっとありのままでない自分と取っ組み合っているしかないでしょうね。
だけど、そんな風に狼狽えている自分に光が当たったら...それがまさにありのままのあなたではないでしょうか？
問題を抱えてダメな自分を、マトモにしなけりゃ、神に近づけないともがいている... もがいているままがありのまま...
現臨の光はありのままを映し出すのです。そして自分を変えようとしなくとも、そこが変容の場となり得るのです。
目覚めとか、エンライトメントとはどういうことか? その照射が全存在を貫くということの他には無いでしょう。
どんなに自分が神に顔向け出来ないと感じているほどミジメな、サンタンたる状態になっていようと、そこが映し出されたら、その地獄のような場が聖なる場と化されるのです。
神に近づくには自分をもっとマトモに、高い次元のものに変えなければなりませんか？　そうして自分を取り繕うとすることでその照射を外してしまうのです。
"神の光を受けるにはもっと高きに成長してからでなくては..."、たって神は寸時だって待ってやくれませんi
人は誤魔化せても神の目は誤魔化せませんi 何処にも隠れることも、逃れることも出来ないのです。
読むだけで震えてくるでしょうか？　神の裁きは恐ろしい? しかし、ここには全く思いを超えたひっくり返しがあります。
そこには"ドヤ、コヤ"言って、重ーく自分を苛み続けていた、世間という神など入り込む余地など無いのです。
誰を相手に自分を取り繕おう、良く見せようとしていたのでしょう。
一体、今まで何から逃れようとしていたのか？　そここそが避けどころではないかi こんな救いというものは無いではありませんかi
この光の照射のことは、アリアリと全存在に貫かれて実感されたことはありますが、そうと知らずに私には昔から知らされていたのです。
その多くは行き場が無くなったように感じた時でした。
それは、風向きが変わることだったり、夕日に魅せられることだったり、あることが媒体になるのですが、自分で思い方を変えようとしなくても、変わってしまう、変えられてしまう...ラクになった...
こうしたことをいくつか身に覚えていたからこそ、あの裁きの場を受け入れられたのだと思います。