パソコンを新しくしてしまったので環境の移行で大忙しでした。まだ終わったわけではありませんが、2台体制で運用しているので書き込みもまばらです。この間いろいろな話題が世間を騒がしていますが、私の方は友人の突然の死に愕然としたものの家の仕事では一段落後の空き時間にぼんやりしています。 世の中はIT企業、建築設計事務所、販売業者の悪行で騒々しいこの頃です。もっとも原点は別のところにあるのかも。
とはいえ、ITの世界に長年浸っていた者としてマスコミ定義のITは大変おかしいのではないかと思っていました。某ドア会社が傾き、IT企業がと呼ばれていることには釈然としません。彼らはそんな会社だったのだろうかと。
少なくともIT企業を標榜するからにはその時代を担う技術がなければいけません。物理的分野、通信インフラを支える分野、ビジネスモデルで社会全体を支える分野、そのためのこまごました技術群、個々を積み上げ目的を達成するインテグレーション技術等々。 少なくとも昔からITで生きてきた職人としての私にはマスコミが取り上げる現代のIT会社は納得できません。 最近読んだ本でなるほどという記述があります。目先の繁栄を追い求めている現代のIT会社に警鐘を鳴らす一言と思いここに索引させていただきました。
「どんな国でも経済的に発展する場合、常に工業の発展がベースとなります。金融やサービスによる繁栄は、偽の繁栄であり長続きしません。どの国でも、多少の才覚さえあれば、すぐに真似ることが出来るからです。一方、工業が発展するには、高い質の労働者の他に、それを支える基礎力としての数学や理論物理が強くないとうまくいきません。工業やエンジニアリング、テクノロジーなどはいわば「風下」にあたるわけですが、風上にあたる数学や理論物理にレベルが高くないと、長期的な発展は望み得ない。」
(国家の品格、藤原正彦、2005.11.15、新潮新書)
この観点から現代の同業者を眺めると問題だらけのような気がします。世の中を席巻しているかに見える技術レスの会社群は実はこの藤原氏の世界から大きく取り残されたものであることにどれだけの経営者が気づいているのでしょうか。一般の人はいざ知らず、時代の寵児としてもて囃され次世代日本を担うと錯覚した人達の逮捕劇を見るにつけ、現代IT企業人はこの世界とはかけ離れた俗人のようです。 ITの指導者たる人は藤原先生の言葉を噛みしめて自分はもちろん部下の育成に努めなければならないと思います。
会社を辞めて色々言うのは楽ですが、これまでの企業人生を振り返るとこのようなスタンスで取り組んできましたし、そのような人物の出現待ちかねているところです。
こんな具合にカリカリするのは遊び心が無くなっているようです。とはいえ気になることを吐き出すと少しはいいかも知れないので走り書きしてみました。