寒さが緩んだあとの寒気、ものすごく寒く感じてしまいます。風邪に注意致しましょう。 この寒さの中、趣味リストラの一環として荷造りをやっていましたが、先ほど終了しました。ベランダだからいいかとコートを羽織らずに作業していたので一段と寒さが堪えました。
ところで、世の中は不登校のことが話題になっていますが、普通に考えると学校側から生徒を特定出来るような発表はあってはならないことと思います。一般人であれば大騒ぎするようなことがまかり通るのは何か恣意的なことが裏にあるのかなぁーと考えてしまいます。 これで困るのは、不登校と云われたご本人と騒ぎまくったという生徒達です。もちろんご家族はもっと大変でしょう。他人様のことながら両サイドとも可哀想でこの先どうなることかと気懸かりです。 学校側の動きは、教育するという組織の動きとはとうてい思えないと考えます。
その昔、夏目漱石が熊本の第五高等学校教授時代に開校記念式典で読んだ祝辞に「夫レ教育ハ建国ノ基礎ニシテ師弟ノ和熟ハ育英ノ大本タリ」という節があります。このようなコンセプトで教育が行われた往時と現在とは当然のことながら隔世の感がありますが、少なくとも師弟の和熟は必須と思いますし、教育は国の礎というのも今でも通用する話です。 マスコミを賑わす北教祖や日教組のスタンスにはこの発想は全く見えず自己の組織をいかに守って勢力を拡大することしかなさそうです。 このようなバックに支えられた先生方も村八分を避けての教育しかできないだろうなと半分同情申し上げます。 検索してみると「師弟の和熟」をモットーにしている学校もあってちょっとホッとしました。
かくいう私も一年のうち半年間は臨時教育者になって居るので心しなければならないなと思う最近です。下期のシラバスを出す時期が迫っていますので何か目玉を考えようとあせり始めました。
以下、備忘録として祝辞全文を掲載してあったサイトから転載させていただきました。改行が分かりづらい点はご容赦ください。
---------------------------------------------
第五高等学校開校十周年記念式祝辞
祝辞
本日本校創業ノ記念日ニ当リ、我等モ聊カ所感ヲ述ベ、并テ諸子ニ告ゲ以テ今日ノ祝詞トセム。夫レ教育ハ建国ノ基礎ニシテ、師弟ノ和熟ハ育英ノ大本タリ。
師ノ弟子ヲ遇スルコト路人ノ如ク、弟子ノ師ヲ視ルコト秦越ノ如クンバ、教育全ク絶エテ国家ノ元気沮喪セム。諸子笈ヲ負テ斯校ニ遊フ。必ス当ニ校舎ヲ以テ吾家トナスノ覚悟アルヘキナリ。若然ラスシテ放逸喧擾妄ニ校紀ヲ紊乱セバ、我其心ト学校トノ間白雲千里ナルヲ見ル而已。夫レ天人一体自他無別ト言ヘリ。
斯クナラデハ学校ノ隆盛ハ期シガタキゾカシ。サレバ此記念日モ、往シ昔ノ忘形見ニシテ一日ノ歓楽ヲ尽スモ、益此ノ校ヲ光大ニシテ聖恩ニ報イ奉ラントテ也。況テヤ今日ハ国家岌々ノ時ナリ。濫費ノ日ニ多キハ内憂ナリ。強国ノ隙ヲ窺フハ外患ナリ。思テ茲ニ至レバ寝食モ安カラヌコトナリ。殊ニ薄志弱行ノ徒ハ人ノ色ヲ見テ移リ、利ノ多少ヲ聞テ走ル恰浮草ノ如シ。豈浩歎ノ限ナラスヤ。
諸子能々此ニ目ヲ着ケ、規則遵奉校友相和シ孜々トシテ学ヲ勉メバ、唯本校ノ面目ナルノミナラス亦国家ノ幸福ナリ。諸子今学生タリト雖トモ、其一言一動ハ即国家ノ全局ニ影響スルナリ。佐久間象山我四十ニシテ斯身ノ天下ニ関スルコトヲ知ルトイヘリ。象山ノ人傑ニシテ始テ然ルニアラス。中等ノ人士モ然リ。
下等ノ匹夫匹婦モ亦然リ。則チ学校一致ノ観念ナキハ其校全体ノ破綻ニシテ亦国家教育ノ陵夷ナリ。懼テ且戒メサルヘケンヤ。是ヲ祝規トス。諸子之ヲ諒セヨ。
明治三十年十月十日
第五高等学校教員総代
教授 夏目金之助