からくり出張所

様々なからくりを徒然なるままに書くつもりです。
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大規模維持運転(汗)

2010年03月27日 23時38分11秒 | からくり情報

 24日から所用ついでに福井から米原へ出かけていました。ブログも五日間のお休みでした。その話はまたの機会に譲り、この一週間「からくり」から離れていた反動から実施したライブスチームの維持運転の顛末です。

 種蒔きの季節となり僅かに頭を出してきた芽に不織布を被せ終え、ポカポカした日差しの下で、この数年火を入れていなかった機関車を中心に運転を始めました。農作業片手間では三台が限界であることも分かりました。 普段やっていると手際ももう少しいいと思うのですが、歳のせいも加わり不器用な運転となってしまいました。途中に修理も入ったのでなおさらです。

運転のあらましは以下の通りです。翌日見直して備忘録として補正しておきました。

一台目はたまに動かしていたLMS Duchess、次いで二年ぶりの火入れのBerkshare、三台目は一年ぶりのC622です。これら機関車を運転場?に一気に拡げてしまったので終了するまで身動きできません。おまけに菜園整備までやったのですから。(汗)

Dc032707 とりあえずこんな置き方で運転を始めました。コロはブロックの上に固定せずにおいたままです。これでたいていの機関車は安定して動きます。

Dc032710Duchessは いつでも運転できるようにベランダに置いてあったのですが、結局半年以上放置したままだったせいかバーナーの点火から燃焼が悪く昇圧が遅くてなりません。バーナー交換時期かと悩んだくらいです。 ところが運転を続けていくと次第に調子が戻り、実物のような轟音を立てて動来始めました。英国最強の機関車と云われている四気筒の力を発揮したのでとりあえず合格点をあげられそうです。運転回数が多いせいかあちらこちらに傷が目立ちますが、極めて高性能の信頼性の高い機関車です。 JAMで周回運転中に内側クロスヘッドピンが緩んでしまう事故がありましたが、帰って慎重な整備をするようになりました。 もう一つ、主連棒とクランクピンのクリアランス不足で曲がってしまいましたが、くりさんが原因を発見してくれたのでその後トラブルは発生していません。0.1-0.2mm程度の隙間不足でした。軸動ポンプの注水量も問題ありません。

Dc032714 45mmとしては巨大なBerkshareですが、火を入れるのが大変で静態保存になっていました。 完全なる不動は機械によくないことは分かっていたのですが、案の定トラブルが発生、注水弁のベアリングが弁座に固着しており、テンダーの水圧ポンプで冷水、温水と変えながら圧力をかけてみたものの結局バイトン製パイプが亀裂し取り替えとなりました。 エアを送りつつ注水弁をドライバヘッドでコツコツ叩くことであっけなく修復しました。 次に動かしたC622も長期間放置していたのですがこのトラブルはありません。おそらくBerkshare発売以降に起きる問題かも知れません。ベアリング精度向上に依る問題という人が多いのですが、定かではありません。 最近のアスターホビー製機関車をお持ちの方は、要注意です。

運転は4本バーナーとブリックアーチのおかげで大変安定しています。気になっていた軸動ポンプの注水量も固定運転では問題ありません。シリンダーからのドレイン排出も確実に作動しました。米国型によく見受けるベーカー弁の動作も安定していました。それにしても大きな機関車です。Bigboyをお持ちの方の維持の苦労を垣間見ました。(笑)

Dc032718 お馴染みの日本國有鐡道・C622です。この機関車も意外なことにしばらく動かしていませんでした。15時過ぎて気温が下がってきたのでガス釜には不安が伴います。 案の定初回は5分ほどでガス欠となったのはコツを忘れていたからです。二回目は30分以上燃えたのでこのコツを忘れぬよう注意せねばと初心に返りました。 専用の注入器具を使っても意外に難しいのがガスタンクへの充填作業です。

 運転はトラブルもなく終了しましたが、課題は二つ。ガス釜につき神経質に水を入れすぎたせいか時折水気の多い蒸気を出してしまいました。適正水量を会得する必要があります。

もう一つはテンダー接続に特殊なコネクターを使ってあるために本体単独での水抜きが面倒です。ボイラー排水孔から空気を入れてエンジンの水を抜くとともにボイラー水はエアパイプの抜きさして対処しました。 新しい部品を使うことはいいのですが、長期間楽しむライブスチームはメンテナンスを考えての設計が重要だと思います。

Dc032720

本日は運転実績のある機関車を動かしたにもかかわらず、ある期間静態保存すると一様に調子が落ちるようです。もっとこまめに動かすか、手入れの行き届く台数に留めておくのか考えなければいけないようです。 クラシックカメラでも全く同じことが云えるので悩みは深いのです。(苦笑)

たった三台されど三台、手入れまで含めてやってみると実に大変でした。後半は寒風に攻められましたが、止めるわけにも行かず「年寄りの冷や水の図」と家族に笑われつつの作業になってしまいました。手の感覚が無くなるほどの寒い夕方になりました。

各蒸気機関車の詳細は、こちらをご覧下さい。

しかしながら、地面に引いた線路が欲しいものです。いや、地面だと腰に来ます。今日は腰痛持ちにつらい姿勢でした。

本日の教訓

機械は動かさねば不調となる。人の体もまた同じ。