からくり出張所

様々なからくりを徒然なるままに書くつもりです。
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半軌装車のはなし

2013年01月21日 21時21分20秒 | からくり情報

 昔から時々変に気になってくる代物にハーフトラックと云う乗り物があります。日本語では半軌装車と呼ばれているのですね。 中学生頃にプラモデルを作り、何て変梃な自動車だと思ったのが始まりです。いかにもメカの塊と思っては見たものの何故か深く追求したこともありませんでした。 そして幾十年、今回もひょんなことからハーフトラックを見かけて調べているうちにこの様なものが来てしまいました。(^0^;)

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そして日曜日の吉祥寺北裏鐵道新年会でも工作名人のH賀氏から興味深い話を色々拝聴出来ました。さすがにノウハウの化身ですねぇ。忘れていた言葉が色々湧き出してきます。ファモケッテンクラート(笑) あのような自動車の運転制御をどうやっているのかを今回初めて知ったという愚かさです。云われてみれば成る程です。
そしてウイキペディアにあったこの様な自動車が何故使われていたの理由を読んで霧が晴れた気分です。それを知っていて何の役に立つのだと云われそうですが、それがからくりの道でしょうか。全くもって困ったものです。(^0^;)
日本陸軍にも存在し、かなりの性能を持っていたようですが、運転免許保有者の数が極度に少ないことから活用出来なかったと云う嘘のような話です。今にも続く欧米との機械文明へのスタンスの差を感じてしまいます。(^0^;)

Dscn1758 完成モデルと云えば安物の見本かも知れませんが、エンジン室のモータをギアで減速し、センターシャフトで軌装の動力軸に伝えています。もちろん此処は差動歯車(デファレンシャルギア)になっているので驚きました。

Dscn1763 動力軸に伝わったパワーはご覧のキャタピラで悪路も何とか乗り切るという次第です。なかなか良く仕上がっています。もちろんラジコン、独逸製ならではの凝りようかも知れません。ただしプラスチックが薄めで装備品も多いことで乱暴に扱うとすぐ駄目になりそうです。

ついでですが、四連装の機関砲も自在に操れるのもこのラジコン模型ならではの面白さです。チルト角上下、360度回転、発射音と銃口の発光、なんとまあ、兵器の魔力なんでしょうか。くわばらくわばら。(^0^;)

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ところで、単純にタイヤを駆動すれば簡単であるにもかかわらずエネルギーロス過大な軌装方式を時代の要求で延々と使い続け、そして現代ではコンピュータの進化とともに消え去った自動車なのですが、蒸気機関車に相通じる運命に親しみを感じるのかも知れません。自動車の中のSL種族と云ってもいいような気がします。 ライブスチーム運転会に行って全く違うものの話で盛り上がるのも一興でした。そうそう、オスプレイはラジコンで操縦出来るかと云うことも出ていましたけど、あれは普通の人の手では失速領域を捉えるのがむずかしいので間違いなく無理だろうという結論。コンピュータ制御は人智の及ばぬ領域に入ろうとしているようです。

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先日の富士総合火力演習で目にした新型の10式戦車の砲身は常に目標に定まっているという流鏑馬のような絶妙な運転はコンピュータなくしては出来ない走りだと思われます。74式、90式とコンピュータ制御の精度が上がり10式はコンパクト化とともに更に性能を上げたようです。展示の際は側に寄ることが出来ませんでした。

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その一方で半軌装車の制御はハンドル操作と後部軌道の動きをメカ的に同期させている原始的というかメカニズムの極致のようです。オートバイと戦車の複合機種であるケッテンクラートの車庫入れを Youtube で鑑賞するとハンドル操作で軌装の制動か駆動力に差を与えているのか微妙に動きが違っているようです。 成る程、成る程と一人で感心していました。

本日は趣向をがらっと変えてバーチャルではない古い技術に思いを馳せてみました。(笑)