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霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

渡辺淳一の世界 その二

2007-02-08 18:20:59 | 趣味
今、映画が公開されている「愛の流刑地」は、日本経済新聞に連載されている時から話題となった作品。
「ここまで書くか」と思われるぐらい詳細な描写で「未知の愛の世界」を覗かせてもらった。
新聞で読んでいたときは、ヒロインが死んだ所で終わるのかと思っていたら、その後から作者の主張が出て来る作品だった。
「検事、裁判官=渡辺文学無理解派」VS「主人公=作者」という構図のように思えた。
願わくば、終盤で重要な役割を演じている「マコ」のママが、証人として法廷に立つシーンを見たかった。

オジサンの家族は、渡辺淳一を妖しい小説を書くだけの変態流行作家と思っているが、以前は、野口英世の伝記小説「遠き落日」のような硬派な作品で文学賞を取っている実力者だ。
その作品も「人間野口英世」が表現されていて面白かった。

8年ぐらい前に、盛岡で講演会があるというので、勇んで聞きに行った。
小説と違って話しは面白くなかったが、「鈍感も実力のうち」という言葉だけは大いに参考になり、サラリーマン時代にフル活用させてもらった。
この2月に「鈍感力」という本が発行されたが、内容は推測できたので買う必要は無かったが、「鈍感力」をご教授頂いた感謝のしるしとして購入した。

「失楽園」を書き終えた後、少し執筆活動を休むようなことを言っていたにもかかわらず、次々と新しい作品を発表し続け、「愛の流刑地」では50代半ばの主人公にメールでハートマークを使わせたり、自分自身もブログを公開したりで、バイタリティを持って進化し続ける73歳の大作家が、今度どんな作品を世に問うかが愉しみだ。
彼一流の文章で、オジサンには縁の無い「甘美な陶酔の世界」に連れて行ってもらいたいと願っている。



集落の冬景色シリーズ。
左の小さな林は、「枝切り魔」(オジサン)の被害に遭ったばかりで、やや不自然な姿になっている。
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5 コメント

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Unknown (つー助)
2007-02-08 22:58:18
ここ2日間「オジサン」絶好調!?ですね(笑)。
なかなか楽しませてくれます。以前から感じていましたが、このブログの文章のすばらしさに感心していましたが、それは根っからの読書好きに由来しているんですね。なるほど。
有名な農民作家に、佐賀県唐津に山下氏、山形県 高畠に星氏、佐藤氏がいますが、やがて岩手一関から「オジサン」が農民作家に・・・・。
期待してます。そのあかつきには、出版記念パーティの発起人を務めさせていただきます(笑)。
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Unknown (つー助)
2007-02-08 23:00:26
書き忘れました。農民作家でなくても、いいです。
エロ作家でも・・・・
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Unknown (「霜後桃源記」)
2007-02-09 06:02:16
つー助さん おはようございます。
山下さんは若い頃の「野に誌す」からファンでしたが、星さんや佐藤さんは、山形勤務の時に知りました。星さんの「農から明日を読む」は、真摯に農業に取り組む姿勢と素晴らしい文章に感服しました。

オジサンが農民作家を目指すには、あまりにも遅いスタートとなりますし、エロ作家を目指すには、その筋の経験が無さ過ぎです。
渡辺淳一の講演会の時に、質問の時間が設けられました。「あれだけ詳細な描写ができるのは、ある程度の経験を積まなければならないのでは?」と訊きたかったのですが、(仕事の関係で)周囲の目が気になり、出来なかったことが今も悔やまれます。回答の中身より、作家がどんな反応をするかに興味がありました。

オジサンの作るのが得意だったのは「子作り」ぐらいですが、四人を産んだ我が家の「子供を作る機械」は遥か昔に耐用年数を過ぎてしまいました。
せいぜい「趣味の園芸」レベルの百姓で頑張るしか残された道はありません。
それでも、「頑張れる目標があれば、それで十分」と思っています。
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Unknown (あぐりおじさん)
2007-02-09 19:20:24
やっぱ、冬香がいい
と思う私です
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Unknown (「霜後桃源記」)
2007-02-09 20:26:01
あぐりおじさん コメントありがとうございます。
「ひとひらの雪」の霞、「かりそめ」の抄子、「失楽園」の凜子、「愛の流刑地」の冬香 
それぞれが魅力のある女性で惚れてしまいます。
渡辺淳一の理想の女性と好みが一致しているようです。
小説とはイメージが異なりましたが、映画「ひとひらの雪」の秋吉久美子も良かったですね。
「愛の流刑地」の映画は未だ見ていませんが、演技に円熟味を増して来ている寺島しのぶが、どんな冬香を演じているのか楽しみです。
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