スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京優駿&維持と放棄

2022-05-29 19:54:58 | 中央競馬
 日本ダービーの第89回東京優駿
 ジャスティンロックは2馬身ほどの立ち遅れ。マテンロウオリオンはすぐに控えました。先手を奪ったのはデシエルトで前半は2馬身くらいのリード。2番手にアスクビクターモア。1馬身半差でビーアストニッシドとピースオブエイト。3馬身差でプラダリアとロードレゼル。7番手にセイウンハーデス。8番手にアスクワイルドモアとジャスティンパレス。10番手にマテンロウレオとオニャンコポンとダノンベルーガとジオグリフ。14番手にドウデュース。2馬身差でキラーアビリティ。2馬身差でイクイノックス。5馬身差でマテンロウオリオン。最後尾にジャスティンロックという隊列。最初の1000mは58秒9のミドルペース。
 道中で一旦はリードを広げたデシエルトでしたが直線の入口では再び2馬身ほどに。追っていたアスクビクターモアは手応えがよく,ほどなく先頭に立つと,馬場の外の方へ進路を取っていきました。そのさらに外から差し込んできたのはドウデュースとイクイノックスの2頭。2頭のうち先んじていたドウデュースが優勝。イクイノックスがクビ差で2着。アスクビクターモアが2馬身差の3着で,アスクビクターモアの内から追ってきたダノンベルーガがクビ差で4着。
                                   
 優勝したドウデュースは朝日杯フューチュリティステークス以来の勝利で大レース2勝目。3連勝で朝日杯フューチュリティステークスを勝った後,今年は連敗していましたが,2着と3着ですから大きく崩れていたわけではありません。とりわけ前走の皐月賞は,位置取りが悪くて負けた感がありましたので,巻き返しが可能な内容でした。このレースは逆にイクイノックスの位置取りが悪すぎた感がありますので,上位馬の能力の差はそれほど大きくなく,よきライバルとして戦い続けていくことになると思われます。父はハーツクライ。馬名の英語表記はDo Deuce。
 騎乗した武豊騎手は朝日杯フューチュリティステークス以来の大レース制覇。第65回,66回,69回,72回,80回に続き9年ぶりの日本ダービー6勝目。管理している友道康夫調教師は大阪杯以来の大レース18勝目。第83回,85回に続き4年ぶりの日本ダービー3勝目。

 現実的に存在するどのようなものも,自己の有を維持することに努めるconariのであれば,おおよそものの現実的本性actualis essentiaには,そのものの有esseを破壊するものあるいはそのものの有の維持を放棄することは含まれることはできません。ですから,現実的に存在するあるものが,それ自身の有を破壊するとかそれ自身の有の維持を放棄するということが生じるとすれば,それはそのものの現実的本性を原因causaとして生じるのではなく,それ自身の外部の原因によって生じるのです。つまり,ある人間の身体humanum corpusの現実的有actuale esseが破壊されるとか,ある人間が自身の現実的有の維持を放棄するといったことは,その人間の現実的本性を十全な原因causa adaequataとして生じるのではなく,外部の物体corpusを原因として,その外部の物体が十全な原因であるにせよ部分的原因causa partialisであるにせよ,何らかの外部の物体が原因となって生じるのです。第三部定理四がいっているのはこのことだといえます。
 よって,現実的に存在する人間の身体がある病気に罹患するということは,外部の物体を原因として生じるので,そのこと自体はその人間の身体の受動passioを意味します。よってこのこと自体は第四部定義八により,無力impotentiaであるといわなければなりません。ただしそれは,何らかの病気に罹患するということ自体がそういわれるだけなのであって,病気に罹患している身体についてそのようにいわれるわけではないのです。なぜなら,第四部定理二〇は,自己の有を維持することを放棄する限りにおいて無力であるといっていますが,病気に罹患している身体が,自己の有を維持することを放棄しているとはいえないからです。そのようにいわれるのは,健康である身体が病気に罹患するということ自体には該当しますが,すでに病気に罹患している身体について,必ずしも妥当するとは限りません。むしろその病気に罹患している人間が,健康を回復するために能動的にある活動actioをなすならば,その活動はvirtusであるといわれるべきで,その人間の無力ではないということを,この定理Propositioはいっていると解するべきだからです。逆に,健康な身体は,それ自体では無力であるとはいえませんが,それだけで自己の有の維持に努めているとはいえません。
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