強い北風に乗って、雪が舞ったとある昼下がり。
街中のスーパーの前での出来事。
姉妹と思しき幼い二人が、しきりに天に向って両手を差し上げ、走り回っている。
どうやら二人は舞い散る雪を手平に受け止めようとしているらしい。
そして時々は、両の手のひらを眺め、また手を差し上げ、走り回る。
当然雪は手のぬくもりで解けてしまい痕跡しか残さない。
それでもキャッキャと声をあげながら、同じ所作を何度も繰り返す。
余程嬉しいらしい。本当に楽しそうだ。
二人の仕草が可愛くて、見ているほうまで心が浮き立ち、思わず声を掛けてしまった。
「雪は、とれたかなぁ?」とその時、自動販売機の前に屈み込んでいた女性が反射的に振り返った。
母親であろうか、その視線は胡散臭い者に向けられる、咎めを込めた、キッとした鋭いもので「うちの娘に、なにか用!」言葉こそ無いが、眼が正にそれを訴え、睨んでいる。
思わずたじろいでしまった。
「嫌な世の中になったものだ。」私は、呟きながらスーパーに消えた。
街中のスーパーの前での出来事。
姉妹と思しき幼い二人が、しきりに天に向って両手を差し上げ、走り回っている。
どうやら二人は舞い散る雪を手平に受け止めようとしているらしい。
そして時々は、両の手のひらを眺め、また手を差し上げ、走り回る。
当然雪は手のぬくもりで解けてしまい痕跡しか残さない。
それでもキャッキャと声をあげながら、同じ所作を何度も繰り返す。
余程嬉しいらしい。本当に楽しそうだ。
二人の仕草が可愛くて、見ているほうまで心が浮き立ち、思わず声を掛けてしまった。
「雪は、とれたかなぁ?」とその時、自動販売機の前に屈み込んでいた女性が反射的に振り返った。
母親であろうか、その視線は胡散臭い者に向けられる、咎めを込めた、キッとした鋭いもので「うちの娘に、なにか用!」言葉こそ無いが、眼が正にそれを訴え、睨んでいる。
思わずたじろいでしまった。
「嫌な世の中になったものだ。」私は、呟きながらスーパーに消えた。