「塩の道 ちょうじや」の奥には、「流鏑馬会館」が併設され、共通
券で入館できる。
大町市の夏の風物詩と言われ、若一王子神社の祭礼に奉納される流鏑馬
(県指定無形民族文化財)と、夏祭りに関する紹介がされた施設だ。
この祭りは700年の伝統を誇る大祭で、その起源は農作の豊凶を占う
習俗的な祭に、中世以降武家社会で盛んに行われていた「流鏑馬」の形
を取り入れたと考えられている。
毎年7月の第四金、土、日曜日に開催され、「やぶさめ」の神事はそ
の最終日に奉納される。
祭が終わると北アルプスの麓の町も、本格的な夏の季節を迎えるという。
前々日から始まる祭りでは、神輿渡行や稚児行列が行われる。
最終の日曜日がクライマックスで、町内6町から二階建ての山車六台が
引き回される。
山車の多くが人形等を飾る舞台造りで、当地では「舞台」と呼んでいる。
中には江戸時代前期に創建されたものも有るという。
あわせて十町より10騎の流鏑馬が出揃って神社に向かい巡行し、最後に
境内で奉射の神事が行われる。
流鏑馬は、京都の賀茂神社、鎌倉の鶴岡八幡宮が良く知られている。
ここに来るまでそれしか知らなかったが、これは認識不足で、この地と
合わせこれらを三大流鏑馬と言うのだそうだ。
この地の流鏑馬の大きな特徴は、乗馬する射手が小学校の低学年の子供
(7~9歳の男子)で、これは全国的に見ても珍しいと言う。
会館では、江戸時代から始まったとされる、祭りの様子を伝えるビデオ
が上映されているので、実際の祭の様子を知ることが出来る。
町内を引き回わす山車の模型展示や、パネル写真、その説明もされている。
当日実際に子供達が着用した、狩衣に似た煌びやかな衣装なども所狭しと
展示されている。(続)
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