
わさびはアブラナ科の日本原産の植物である。
歴史的には既に飛鳥時代の資料に記載があり、奈良時代に入ると食用で
はなく優れた抗菌性から薬用として用いられていた。
今日のように薬味として地下茎を使うのは、室町時代以降の事だそうだ。
最近の研究では、認知症の予防や、血流増進、骨密度の強化などの効果
が認められている。

わさびの辛みの正体を、「アリルカラシ油」と言うらしい。
わさびはすりおろすことで、酵素と辛味の元であるシニグリンが反応し、
あの鼻孔にツンとくる辛味と香りが生まれるのだと言う。
お寿司や刺身に添えるのは、辛味や香りを味わうと同時に、殺菌効果も
期待しての事である。

農場内のレストランでは、取れたてのわさびを使った「本わさび丼」
が評判だ。白飯の上に、鰹節、刻み海苔、白胡麻、ほろっこ漬け(わさ
びの茎と芋の甘酢漬け)を載せ、醤油を適量入れ良くかき混ぜ、そこに
すりおろしたわさびを好みにより乗せて頂く。

わさびは、すり方で微妙に辛味が変化するようだ。
ゆっくりと円を描くようにすりおろすと、空気を巻き込みふんわりとし
たきめ細かな状態になる。
これだと辛味の中にも、美味しい甘みが感じられるようになる。

売店では、わさびを加工した食品やお菓子などのお土産品を、数多
くを取り揃え販売している。
テイクアウトコーナーの「ほんわさびソフトクリーム」もその一つだ。
薄い緑色をしたクリームは、わさびのツンとくる辛さは殆ど無く、バニ
ラベースに仄かにわさびが香る程度で、これなら子供でも食べられる。
また、中にはその日に収穫した、わさびの葉や茎の販売もある。(続)


