列車は午前11時半に少し前、大糸線の終点・糸魚川駅の4番ホーム
に到着した。
車内は頸城大野で多少の入れ替わりがあった程度で、多くは南小谷か
らの乗客が、ほぼそのまま終点まで乗車してきたようだ。
ホームに降り立った人々は、出口や乗換口に向け跨線橋の階段を上っ
て行った。
糸魚川はJR西日本と、えちごトキめき鉄道、JR貨物の共用駅である。
北陸新幹線が金沢まで延伸され、北陸本線が並行在来線として三セク化
されて以降、新潟県内では唯一のJRが管理する有人駅となった。
新幹線開業と同時に橋上駅舎に改装され、南北の自由通路を挟んで、
北口が日本海口、南の新幹線側はアルプス口として一新されていた。
以前訪れた時とは、随分と趣が異なり、近代的で綺麗な明るい駅舎に
変貌を遂げている。
糸魚川はヒスイと「世界ジオパークのまち」である。
日本海口を出るとその東の隣接地に、「ひすい王国館」という交流施設
があり、観光物産センターや飲食店、観光案内所などが入っている。
又、アルプス口には、糸魚川ジオステーション ジオパルと言う施設
もあって、ジオパークの案内や、鉄道関連の保存展示が行われている。
時間があればこれらの施設もじっくりと見てみたい処だが、この駅は
乗り換えだけしか予定していない。
姫川の駅前の温泉も気になったし、近くには、ヒスイ海岸やフォッサマ
グナミュージアム、フォッサマグナパーク等の見処も有るので、一度は
立ち寄ってみたいところだ。
いつの日かもう一度訪れる機会はないものかと思いつつ、後ろ髪引かれ
る思いで新幹線ホームへと急ぎ、ここからは北陸新幹線で、最後の目的地
金沢に向かう。(続)
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