こうして地方に来て乗り込んだ車両が、ロングシートでは行き成り興味をそがれてしまう。
これはいけない。通勤電車じゃないのだから。
ロングシートとは、都会の通勤電車でよく見る、長いベンチの、窓に背を向けて座るあのタイプのことだが、
この車両は、どうしても好きになれない。
JR東の路線には、このタイプの車両が意外と多く使われている。
何せ、このシートで駅弁を食べるのは可也の勇気を必要とする。
正面に並んだ乗客の、多くの視線を感じながらでは喉を通る筈が無い。
たとえ乗客が居なくても、このシートでは落ち着いて食べる気にはなれない。
缶ビールだって飲めやしない。
第一、 飲みかけの缶は一体何処におけば良いと言うのか。
とても鉄道の旅を楽しめる雰囲気ではない。
しかし、ロングシートにもそれなりに良さは有る。
目の前に立ち客が居なければ、多少の見辛さはあるが、車窓を流れる遠くの景色はクロスシートより
はるかにワイドに広がって流れていく。
しかし、反対側の景色を見ようとすると、不自然に身体を捻ることになるが、これは辛い。
それに狭いクロスシートで足を折り曲げるのは、長旅には辛いが、ロングシートなら、多少行儀は悪いが、
足を思い切り投げ出せるので、楽で有りがたい。
それでもやはり進行方向に向かい、クロスシートに座る方が旅の風景を堪能出来るような気がするから、
列車の旅はロングシートよりクロスシートに限る。(続)
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これはいけない。通勤電車じゃないのだから。
ロングシートとは、都会の通勤電車でよく見る、長いベンチの、窓に背を向けて座るあのタイプのことだが、
この車両は、どうしても好きになれない。
JR東の路線には、このタイプの車両が意外と多く使われている。
何せ、このシートで駅弁を食べるのは可也の勇気を必要とする。
正面に並んだ乗客の、多くの視線を感じながらでは喉を通る筈が無い。
たとえ乗客が居なくても、このシートでは落ち着いて食べる気にはなれない。
缶ビールだって飲めやしない。
第一、 飲みかけの缶は一体何処におけば良いと言うのか。
とても鉄道の旅を楽しめる雰囲気ではない。
しかし、ロングシートにもそれなりに良さは有る。
目の前に立ち客が居なければ、多少の見辛さはあるが、車窓を流れる遠くの景色はクロスシートより
はるかにワイドに広がって流れていく。
しかし、反対側の景色を見ようとすると、不自然に身体を捻ることになるが、これは辛い。
それに狭いクロスシートで足を折り曲げるのは、長旅には辛いが、ロングシートなら、多少行儀は悪いが、
足を思い切り投げ出せるので、楽で有りがたい。
それでもやはり進行方向に向かい、クロスシートに座る方が旅の風景を堪能出来るような気がするから、
列車の旅はロングシートよりクロスシートに限る。(続)
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