簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

大岡寺縄手 (東海道歩き旅・伊勢の国)

2023-07-17 | Weblog


 旧東海道は、鈴鹿川の土手に出てきた。
ここは右側を流れる国道1号線が、国道25号線と交差する地点で、すぐ
近くに東名阪自動車道の亀山ICが造られている。
旧道はその巨大な構造物の下を潜って進む。



 交通の要衝らしく、トラックステーションが立地し、周りには大きな
ビジネスホテルが点在し幾つも建っているのが見える。
左には鈴鹿川の河川敷が広がり、中央をゆったりとした流れが、キラキ
ラト燦めきながら下っている。両側の視界も気持ちよく開け、遙か先に
見えていた鈴鹿山脈も、川の向こうに有り、かなり近くに迫っている。



 ここは「大岡寺(たいこうじ)縄手 土手の間十八丁 左脇関川流。
右山陰に大岡寺有」と言われる地で、関川はこの鈴鹿川の別名だ。

 縄手とは畷とも書き、真っ直ぐな長い道の事で、ここは昔から知られ
た東海道・鈴鹿川の土手道だ。
当時は右に「六門山四王院太岡寺」が見えたと云うが、いまは国道高架
の防音壁に隠され、向こう側を臨むことが出来ない。



 国道を行き交う車の喧噪は、その壁に遮られ微かに聞こえるのみだ。
この土手道には家屋の連なりも無く、人の姿を見ることもまれで、時折
通り過ぎる車を見送るだけだ。
約2キロに渡って続く土手道は眺望も良く、静かで、安全で、気持ちの
良い快適な散歩道と言った趣だ。



 ただ残念なのはアスファルト道で、木陰などの日陰が無い事だ。
この時期としては、思いのほか気温が上がりすっかり汗ばんでしまった。
それでもほてった身体に時折感じる、この川面を渡る涼やかな風は、何と
も心地良く頬をなぜてくれ、贅沢な贈り物であった。(続)





にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 野村の一里塚(東海道歩き旅... | トップ | 関の小萬のもたれ松(東海道... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事