簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

安曇野巡り(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-05-07 | Weblog


 一列車遅らせるつもりの、穗高駅途中下車であった。
しかし下りた以上、彼方此方と見て回りたくて、マップ片手に町中を
歩き回り、ついつい欲も出て、はるばる「大王わさび農場」まで足を
伸ばしたが、農場までは結構遠かった。



 しかし歩き回ったお陰で、何よりも安曇野の広大な農地の広がりと、
廻りを取り巻く山々の雄大な素晴らしい眺を堪能する事が出来た。
 農園までの行き来の道すがら、所々で目にする道祖神は微笑ましく、
又耳にする、さらさらと涼やかに流れる湧水の音は、日本の原風景を
見るようで清々しい思いがした。



 農園の遊歩道から眺めた、広大な農地越しに見る北アルプスの眺めは、
どこから見ても秀逸で見飽きることも無く、心が洗われる思いがした。
 何よりも広大なわさび田は一見の価値有りで、興味深く見学が出来た。
わさびソフトクリーム、わさびコロッケ、本わさび丼等は、期待に違わ
ず美味かった。



 他にも「水色の時道祖神」等の道祖神を巡り歩くのも面白そうである。
「わさび田湧水公園」、「安曇野スイス村」、「あずみ野F-1パーク」、
「国営アルプスあづみの公園」等も気になった。
 欲深く方々を見て回るなら、車か電動自転車を利用して、安曇野穗高
温泉郷のどこかで一泊泊まらなければ無理で、これだけ広大な地域を歩
いてでは、とても半日程度で見て回れるものでも無い。



 駅まで戻って来て、駅前にレンタサイクルの店がある事を知った。
駅に降り立った折、もう少し周囲を見回し調べれば良かったのに・・と、
せかせかと駅を後にしたことを今更に成って悔やむのである。

 結果二列車も見送る事と成ったが、安曇野の野山の佇まいは、一服の
清涼剤であり、心の故郷を見るようでもある。
この清冽な湧水の地は、期待に違わぬもので有った。(続)





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道祖神(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-05-05 | Weblog

 安曇野観光の拠点、穗高駅前には様々なモニュメントが立ち、観光客
を出迎えている。
正面には穗高神社の常夜灯が立ち、その左側の緑地には、駅から1キロ
ほど離れた所にある「碌山美術館」を案内する石碑の横に、「登頂」と
名付けられたブロンズ像と共に石彫りの道祖神が立っている。



 道祖神は、元々は悪霊や疾病などが集落に入り込まないように、その
入口や峠、辻々に邪悪を払う目的で置かれていたものだと言う。
これには、「村の守り神」「疫病退散」「五穀豊穣」「家内安全」「縁
結び」などの願いも込められているそうだ。



 一口に道祖神と言ってもその表情は様々で、男女二神が仲良く握手を
する「握手像(双体像)」、徳利と盃を持ち結婚を表す「祝言像」、男
神が笏を女神が扇を持つ「笏扇像」や、二神が口付けを交わす色っぽい
像もあると言う。



 全国的に広く分布していて、関東甲信越地方が比較的多いそうだ。
その中でも安曇野市は約400体も有り、飛び抜けて多いそうで、それら
の多くは自然石を加工したものだ。



 道祖神は駅を出た直ぐ左手にも有り、傍らの案内板によると、安曇野
には、男女二神が手を取り合う和合の形(双体像)を示すものが多く、
ここ穗高だけでも83体もあるという。
 駅前にある観光センターには「道祖神巡りマップ」が用意されている。
それを片手に、レンタサイクルで巡ることを係員は勧めている。



 大王わさび農場のわさび畑を巡る遊歩道にも何体かの道祖神が置かれ
ていたが、そう言うものよりはやはり町を歩いていて、野辺で思わず出会
う素朴な佇まいの道祖神の方が、何故か心をより和ませてくれる。(続)





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本わさび丼(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-05-03 | Weblog


 わさびはアブラナ科の日本原産の植物である。
歴史的には既に飛鳥時代の資料に記載があり、奈良時代に入ると食用で
はなく優れた抗菌性から薬用として用いられていた。
今日のように薬味として地下茎を使うのは、室町時代以降の事だそうだ。
最近の研究では、認知症の予防や、血流増進、骨密度の強化などの効果
が認められている。



 わさびの辛みの正体を、「アリルカラシ油」と言うらしい。
わさびはすりおろすことで、酵素と辛味の元であるシニグリンが反応し、
あの鼻孔にツンとくる辛味と香りが生まれるのだと言う。
お寿司や刺身に添えるのは、辛味や香りを味わうと同時に、殺菌効果も
期待しての事である。



 農場内のレストランでは、取れたてのわさびを使った「本わさび丼」
が評判だ。白飯の上に、鰹節、刻み海苔、白胡麻、ほろっこ漬け(わさ
びの茎と芋の甘酢漬け)を載せ、醤油を適量入れ良くかき混ぜ、そこに
すりおろしたわさびを好みにより乗せて頂く。



 わさびは、すり方で微妙に辛味が変化するようだ。
ゆっくりと円を描くようにすりおろすと、空気を巻き込みふんわりとし
たきめ細かな状態になる。
これだと辛味の中にも、美味しい甘みが感じられるようになる。



 売店では、わさびを加工した食品やお菓子などのお土産品を、数多
くを取り揃え販売している。
テイクアウトコーナーの「ほんわさびソフトクリーム」もその一つだ。
薄い緑色をしたクリームは、わさびのツンとくる辛さは殆ど無く、バニ
ラベースに仄かにわさびが香る程度で、これなら子供でも食べられる。
また、中にはその日に収穫した、わさびの葉や茎の販売もある。(続)





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