簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

京・三条の思い出(東海道歩き旅・山城の国)

2024-11-08 | Weblog


 小学校の修学旅行は、奈良・京都のバス一泊旅行であった。
詳しくは覚えていないが、奈良では春日大社や東大寺の大仏を見て
若草山に登り、至る所にいた鹿と遊んだ。
 京都では金閣寺、清水寺、平安神宮などを廻り、夕方新京極に立
ち寄り土産を買った記憶がある。



 手元に残る卒業アルバムを紐解いても、その辺りの記録は残されてい
ないので、思い違いかも知れないが、その夜泊まったのは、この三条大
橋の袂に有った「加茂川別館」と言う宿だったと記憶している。

 夕方には二階の大広間に全員が集まり夕食を食べ、夜寝るのもここで、
まるでセリ市場に並べられた鮪の様に、何十人かが布団を並べ、頭を揃
えて寝たことを微かに覚えている。



 当時宿の前には電車の線路があり、ここでカーブしていて、廻り際に
その前照灯の明かりがカーテンの隙間から差し込んで、暗闇の部屋の天
井を一瞬明るく照らし出していた。

 一頻り枕投げに興じ、先生に叱られ寝床に入ったものの、興奮で中々
眠れず、寝床から見えたこの光景が印象深く今も脳裏に刻まれている。



 四国八十八カ所を歩き終え、その後思い立って東海道を何回かに分け
て歩きこうして懐かしい想い出のある京・三条大橋に無事に辿り着いた。
 当時の記憶をたぐりよせ、宿はこの辺りでは・・・と、界隈に当時の
面影を求めてみるが、記憶と一致するものは何も無い。



 半世紀以上も前の木造の旅館など残ってはいず、町並みは小綺麗なビ
ルに変貌を遂げ、路面に電車の姿も無く地下に潜っている。
こんな賑わいを目にすると、本当に泊まったのはここだったのか・・・。
確信を持って思い続けてきた、あの日の懐かしい記憶が揺らいでくる。
(東海道歩き旅・山城の国 完)



まもなく「東海道五十七次歩き旅」が始まります。 お楽しみに。



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