1994年刊行の東野圭吾の小説。
凄く夢がありわくわくしながら読み進み、
ページをめくるのが楽しい・・・そんな小説。
生まれたときから風変りだった少年・光瑠(みつる)。
写真の色を絵具で正確に再現する事から始まる。
色を見ただけで、どれくらいの分量で絵具を混ぜれば、
再現できるのかが解ってしまう不思議な能力。
超能力かもしれないのだが、超能力と言わず、
色彩感覚が優れている超人と呼ぶ。
それは音楽でいう絶対音感のようなもの、
と考えればわかりやすい。
一般人には理解できないが、中にはいる。
それほどいるわけではないが、少なくはない。
高校生になった光瑠は同じような感覚に優れた仲間を集めるために、
夜中にある場所から光(電気の)を放ち始める。
それを見て気分が高揚したり、穏やかな気分になったり、
プラスに作用した若者たちが光の元に集まっていく。
色彩感覚に優れ、いろいろな色の光を操って演奏する、
「光楽(こうがく)」と言う光の演奏が始まると、
それをビジネスにしようとする人々も集まって来る。
それを敵対視し破壊しようとする人々に光瑠が捕らわれた時、
同じような能力を持った若者たちが現れ始める。
人類は進化し、いろいろな便利な道具を発明した事で、
逆に退化した能力もある。例えばテレパシー(笑)。
電話やインターネットなど便利な通信手段ができたおかげで、
以心伝心する能力がなくなってしまった(とかね)。
例えばテレポートやテレワープ(笑)。
自動車や飛行機などの便利な移動手段ができたおかげで、
瞬間的に空間を移動する能力がなくなった(とかね)。
双眼鏡ができたおかげで何Kmも先の物が見えていたのに、
見えなくなった(とかね。)
たぶん、人間や動物や植物や物が発していた光(オーラ)も
昔は見えていたんじゃないかなぁ。
SFっぽい話に感じるかもしれないけど、
私は科学というより人類が昔に持っていた能力の話だと思った。
この本、けっこう好き。