雀の手箱

折々の記録と墨彩画

本日の模索

2011年09月01日 | すずめの百踊り
 「勢いを以て線を描くこと」を自分への課題にして集中しての練習です。魚を描くときは泳ぐようにと言われてきた意味がまだつかみきれませんが、魚は格好の素材です。

 魚を細身にしなければ漫画風になって、うまくいかないこと。仕上がりの予測を持って下塗りの段階から勢いと速度をもつこと。いったん墨を下ろしたらどうなろうと迷わず、手の動くままに任せるのがよいなどを、失敗しながら一つずつ会得して、何枚も描いてみました。できたと納得する線にはまだまだ程遠いものがありますが、続けていけば何とかなるかもしれないと大それた夢を描いています。

 口直しの最後の一枚、この「ほおずき」は、私の技法で描いてくださった師の作品中、最も気に入っているものです。年齢的には親子ほどの隔たりがありますが、線も色づかいも、私には描けない渋い味わいがあります。プロですから上手いのは当然として、いつも、絵をみるかぎりどちらが高齢者の絵かと思ってしまいます。

 今日からもう九月、夏休みも終り、蝉や蝶を追う子供たちの賑わいも遠いものになろうとしています。