雀の手箱

折々の記録と墨彩画

秋を描く

2011年10月27日 | すずめの百踊り
 若いころからの奇妙な癖で、多忙な日程を抱えているときに限ってまったく別のことを無性にやりたくなるのです。
 学生のころは試験が迫ると長編小説が読みたくなって落ち着かず、そんな余裕もないのに二股かけて“一兎をも得ず”の後悔を繰り返していました。
 ここ数日は海外からの来客を待つ慌ただしい時間の中で、ホテルの予約や、観光のスケジュール、乗り物の手配と、カレンダーに書き込んだ予定を一つずつ消化しながら、前はもっとスムースに処理できていたのにと、我ながら「老いたり」と今更の感を味わっています。

 そうした中で悪い癖が頭をもたげ、今日はどうしても庭の秋を留めておきたくて、石蕗と零余子を何枚か描いてみました。
 自分への言い訳は、お土産にする絵を描くついでだから。です。





















最後の1枚は「お土産」用のなかから椿です。上等の手漉き和紙ですが、にじみが激しくて、意図していたのとは違ったものになりました。墨でつぶしたのが、まるでちぎり絵のようで、面白く、思いがけない強さが出たのでUPしました。