雀の手箱

折々の記録と墨彩画

春暁

2013年03月20日 | できごと

 いみじくも「春は曙」と清女が申しています。
「春は眠くなる。猫は鼠を捕とる事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる。時には自分の魂の居所さえ忘れて正体なくなる。ただ菜の花を遠く望んだときに眼が醒さめる。雲雀の声を聞いたときに魂のありかが判然する」といった文豪もいました。

 春の嵐が眠りをさましても、起き上がりもせず、竹のさやぎを煩わしく聞いていました。夢うつつの中で「夜來風雨聲 花落知多少」と孟浩然を気取っていました。

 暴風警報が出るほどの風でした。門まで新聞を取りに行くと、椿や雪柳は吹きちぎられているのもありましたが、植物は案外しなやかにやり過ごしたようです。

 風雨で出かけることもなく、この日は花を題材に遊んでいました。新規投稿の下書きに入れたまま春らしくUPを忘れて。